猫が星見た

映画の感想

家(うち)へ帰ろう

ホロコーストを生き抜いたユダヤ人の老人が、70年の時を経て、友人との約束を果たすためにアルゼンチンから故郷ポーランドへ旅する姿を描いたロードムービーブエノスアイレスに暮らす88歳の仕立て屋アブラムは、自分を高齢者用の施設に入れようとする子どもたちから逃れ、故郷であるポーランドを目指して旅に出る。そして、その旅には、第2次世界大戦時、ユダヤ人である自分をナチスの手から救ってくれた親友に、自分が仕立てた最後のスーツを渡すという目的があった。監督はアルゼンチンの人気脚本家で、監督作はこれが長編2作目となるパブロ・ソラルス。主演はカルロス・サウラ監督の「タンゴ」で知られるミゲル・アンヘル・ソラ。

 

これは本当にいい映画。そして塚口サンサン劇場もめちゃいい映画館。今まで行った映画館の中でベスト3に入る居心地のよさ。作品も劇場も手放しでおすすめしたいです。

物語の筋は本当によく読めるし、意外性ってひとつもないですし、童話性もよくあるものなんですが、それでもラストシーンに「あっ」てなってしまうし、心を優しく撫でてくれるエンドロールをじっと見つめてしまう映画。エンドロールに余韻を感じる映画って本当にいい映画だと個人的に思いますよ。

ジュリーと恋と靴工場(SUR QUEL PIED DANSER FOOTNOTES)

25歳で職を失い、必死で探した末にようやく高級靴メーカーの工場に試用採用される。ところが折しもグローバル化の波が押し寄せ、リストラを心配した靴職人たちは、パリ本社に乗り込み抗議活動を決行。試用採用中のジュリーも巻き込まれ、あやうくクビになりかけるが…。

DVDジャケ借りです。失敗です。

プチミュージカル映画です。フランスも不景気なんだなあという印象だけで、主人公に全然魅力がないので最初から最後までノレませんでした。

ジュリーと恋と靴工場 [DVD]

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ゴッホ〜最期の手紙〜(LOVING VINCENT)

 天才画家フィンセント・ファン・ゴッホの謎に包まれた死の真相に迫るミステリー・ドラマにして、全編“動く油絵”のみで構成された異色のアート・アニメーション。本作はダグラス・ブース、シアーシャ・ローナン、クリス・オダウドをはじめとする一流キャストが実際にゴッホの絵のモデルにもなっている登場人物たちを演じ、その実写映像を基に、総勢125人の画家たちがゴッホのタッチを模して描いた6万枚以上もの油絵を使用してアニメーション化された。監督は共に本作が初の長編作品となるドロタ・コビエラとヒュー・ウェルチマン。

目がチラチラして、全く物語に集中できません笑。
これはお年寄りには厳しい作品となっております。
多分なかなかの作品だと思うんですよ、これまでにない新しい感じですし。でもね、とっても目が辛いんです。
新しさを求めるならいっその事紙芝居にしたらよかったのに。

 

 

ゴッホ 最期の手紙 [Blu-ray]

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人生タクシー(TAXI)

イランのジャファル・パナヒ監督が、タクシーの乗客たちの様子から、厳しい情報統制下にあるテヘランで暮らす人々の人生模様をドキュメンタリータッチに描き、2015年・第65回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した作品。カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭で受賞歴を誇る名匠で、反体制的な活動を理由に政府から映画監督としての活動を禁じらてもなお、自宅で撮影した映像をもとに映画「これは映画ではない」を発表して話題を集めたパナヒ監督。今作では活気に満ちたテヘランの町でパナヒ監督自らタクシーを走らせ、さまざまな乗客を乗せる。ダッシュボードに置かれたカメラには、強盗と教師、海賊版レンタルビデオ業者、交通事故にあった夫婦、映画監督志望の学生、政府から停職処分を受けた弁護士など、個性豊かな乗客たちの悲喜こもごもが映し出され、彼らの人生を通してイラン社会の核心へ迫っていく。

これが本当のイランの姿・・・なのかな?
全く知識がないので、へぇ〜こんな感じなのか、としか思わなかった。意外と市井の人々は裕福そうだなと思った。
ドキュメンタリータッチというところがずるいなと思ったし、まあドキュメンタリーでは撮れない状況があるんだろうな。しかし特に衝撃の事実もなく、イラン社会はそれほど閉塞的でもない、日本の方がよっぽど心の貧しい社会だと、変なところでうらやましく思った。

人生タクシー [DVD]

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輝ける人生(Finding Your Feet)

長年連れ添った夫の浮気をきっかけに人生を見つめなおすことになる女性の姿を、笑いと涙、音楽とダンスを交えて描いた人生賛歌のドラマ。「ヴェラ・ドレイク」のイメルダ・スタウントンが主演を務め、「否定と肯定」のティモシー・スポールらイギリスのベテラン俳優が出演。「ニューヨーク、眺めのいい部屋売ります」の名匠リチャード・ロンクレインがメガホンをとった。35年間寄り添った夫がナイトの称号を授与され、自身もレディとなったサンドラ。順風満帆に見えた人生だったが、夫と親友の浮気現場を目撃してしまい、傷心で姉ビフの家に転がり込む。金や名誉とは無縁のビフは、親友やダンス教室の仲間に囲まれ、人生を謳歌していた。妹を心配するビフは、サンドラをダンス教室へ連れていき、かつてダンサーを目指したこともあったサンドラは、音楽とダンスに心を癒され、忘れかけていた情熱を思い出していく。

酸いも甘いも嚙み分けて、それでも楽しく生きていく人を応援する映画。
楽に見れて楽に感動できて楽に泣ける。
深いなにかはないけれど、元気になれますよ。

gifted/ギフテッド

叔父のフランクと片目の猫フレッドと暮らす一見ごく普通の7歳の少女メアリー。しかし彼女は数学の才能に著しく秀でた天才少女だった。小学校に通い出すや、すぐにそのことが発覚し、学校側はフランクに天才児の英才教育で名高い私学への転校を勧める。しかしフランクは“普通の子として育てたい”とこれを拒否する。それは、メアリーをフランクに託して自殺してしまった姉の願いだった。ところがある日、メアリーの祖母イブリンが現われ、孫の才能を無駄にすべきではないとフランクと激しく衝突。そのままフランクを相手に裁判を起こしてメアリーの親権を主張するのだったが…。

映画っぽいキャッチーな物語ではあるが、展開が読めすぎて読めすぎて・・・。
特別な才能もっててでも普通の子どもとしての生活させたい、ただそれだけの話なんです。
猫がかわいい。だたそれだけの話なんです。

マンチェスター・バイ・ザ・シー

心を閉ざして孤独に生きる男が、兄の死をきっかけに故郷に戻り、甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。

ストーリーはなんてことない話なんです。が、5つ星つけます。
ケイシー・アフレックの繊細な演技と、現在と過去が交錯する巧いカット割りによって、観客の胸を打つ秀作となっています。
主人公の辛さが、嫌なのに、胸に迫ってきます。感動して泣くんじゃなくて、辛くて涙が出ました。えぐみは少ない、でも確実に痛い映画です。でも、痛い終わり方なはずなのに、救われるようなラストであるのも驚きでした。しかもそこに疑問を持たせない、観客が、少なくとも私はあのラストに納得でした。
一体今回私は何を書いているのかというほど下手くそにしか表現できませんが、うまく感想書けないほどの、いい映画だと思います。