猫が星見た

映画の感想

ヨーロッパ映画

マルタのやさしい刺繍(DIE HERBSTZEITLOSEN)

スイスの小さな村、トループ村。夫に先立たれ、生きる意欲を持てずにただ漫然と毎日をやり過ごす80歳のマルタ。そんなある日、彼女はふとしたきっかけから、若い頃に抱いた夢のことを思い出す。それは、自分でデザインして刺繍したランジェリーの店を開くこ…

真実のマレーネ・ディートリッヒ(MARLENE DIETRICH: HER OWN SONG)

1901年から1992年の激動の20世紀を生きたマレーネ・ディートリッヒ。彼女がスターの階段を駆け上がる出発点は1920年代のベルリンまでさかのぼる。当時、幼い子を抱える既婚者だったディートリッヒは、ナチスが台頭し始めた社会情勢の中で舞台や映画など芸能…

彗星に乗って(ON THE COMET)

実写とアニメーションの合成で独特の作品世界を構築するK・ゼマンが、ヴェルヌの冒険小説に材をとっておくるファンタジー。アフリカのある町に駐留するフランス軍がスペイン人や現地の権力者と小競り合いを繰り返している1888年、彗星が地球に大接近、…

4分間のピアニスト(VIER MINUTEN)

ピアノ教師として刑務所を訪れたトラウデ・クリューガーは、机を鍵盤代わりに無心で指を動かしている女性に目を留める。彼女の名はジェニー。天才ピアニストとして将来を嘱望されながらも道を踏み外してしまい刑務所暮らしの日々。心を閉ざし、衝動的に暴力…

前世紀探険(CESTA DO PRAVEKU)

時間の川をさかのぼり、古代を探険することとなった4人の少年たち。その世界の空には始祖鳥や翼竜がはばたき、さらに4人の眼前では恐竜同士の激しくも過酷なバトルが繰り広げられる。古代世界を舞台に彼らのサバイバルが始まった。 実写とアニメを組み合わせ…

ベジャール、バレエ、リュミエール(B COMME BEJART)

2001年2月。モーリス・ベジャール率いるベジャール・バレエ団では、新作舞台「リュミエール」の準備が進められていた。“リュミエール=光”をコンセプトに、映画やバッハ、シャンソンといったものを重層的に織り込んだ壮大なバレエ。稽古場でダンサー一人ひと…

ネコのミヌース(MINOES)

新聞記者ティベ(テオ・マーセン)が出会ったミヌース(カリス・ファン・ハウテン)は、木に登ったり、ゴミ箱を漁ったり、魚屋が好きだったり、ちょっと変な女の子。情報通の彼女を秘書にしたティベは絶好調。ある事件が起きるまでは……。 オランダって平和な…

太陽(THE SUN)

1945年8月。疎開した皇后や皇太子らとも離れ、地下の待避壕か唯一残った研究所での生活を送る天皇。敗戦が決定的となる中、御前会議では陸軍大臣が本土決戦の用意あり、と息巻く。それに対して国民に平和を、と願う天皇は降伏を示唆する。空襲の悪夢にうなさ…

デカローグ 第9話「ある孤独に関する物語」(Dekalog,Dziewiec)

第3話同様、あまり印象に残らない話。ただ、音楽と映像が美しい。

デカローグ 第10話「ある希望に関する物語」(Dekalog,Dziestic)

これに出てくる兄弟がいい感じで好き。デカローグの中で唯一お間抜けで可愛らしい2人。話もコミカルで展開が面白い。ラストも惨めすぎない感じがいい。こうして10話を見直してみたけど、やっぱりデカローグは名作だなあ! 3話と9話以外は星4つ半以上。トータ…

デカローグ 第8話「ある過去に関する物語」(Dekalog,Osiem)

全10話の中で最も地味な話かもしれないけど私は結構好き。 これを観ると人生は道を誤っても生きていかなければならない、道を誤まっても挽回のチャンスはくる、そして人生はそれほど酷いものでもない、と思う。 (DVDで)

デカローグ 第7話「ある告白に関する物語」(Dekalog,Siedem)

7話目は“あなたは盗んではならない”。マイカは母親に娘を盗まれ、時を経て母親から盗み返す……しかしそれはうまくいかない。 この物語はマイカが1人汽車に乗るところで終わっているのだが、この結末はどういうことだろうと娘世代の私なぞは思ってしまう。結…

デカローグ 第5話「ある殺人に関する物語」(Dekalog,Piec)

これは私が観た中でもっとも死をリアルに描いている作品だと思います。 どんなエグイ映画よりショッキングな「死」がここにはある。 ただなんとなくの憎悪によって殺人を犯した主人公が死刑を受ける。その準備の淡々としたこと、あっけなさ、それに反しての…

デカローグ 第6話「ある愛に関する物語」(Dekalog,Szesc)

評論家的には映画版よりこのテレビ版のラストの方が評価が高いようですが、私は断然映画版の終わり方が好きです。というか映画版のラストシーンは最高でしょう!と言いたい。 この作品を観ていつもじっくり観てしまう所は、青年トメクが熟女のマグダに愛を告…

デカローグ 第3話「あるクリスマス・イヴに関する物語」(Dekalog,Tazy)

全10話の中で一番印象の薄い話かもしれない。 デカローグの中では特に何も語れない話。デカローグ DVD-BOX (5枚組)出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2005/07/23メディア: DVD クリック: 19回この商品を含むブログ (39件) を見る

デカローグ 第4話「ある父と娘に関する物語」(Dekalog,Cztery)

娘のアンカの美しさが際立つ一話。血の繋がらない父と娘の近親相姦話で、微妙ないやらしさと純粋さを保っている秀作。 北欧の人はイタリアとかフランスに比べてフェロモンが少ない人種なのか、簡単に抱き合ったりキスしたりしないのがウムウムと頷ける。ラス…