猫が星見た

映画の感想

50年代

流れる

幸田文の同名小説を「めし」「浮雲」の成瀬巳喜男監督が映画化。傾きかけた芸者置屋を舞台に、時代の流れの中で変わりゆく花柳界に生きる女性たちの姿を豪華な女優陣の競演で描いた作品。女性のありのままの姿を一貫して描いてきた成瀬映画のいわば集大成に…

情婦(WITNESS FOR THE PROSECUTION)

アガサ・クリスティが自身の短編小説を基に戯曲化した『検察側の証人』の映画化。ミステリー映画というジャンルの中で、間違いなく最高峰に位置する傑作である。金持ちの未亡人を殺した容疑をかけられたレナード(パワー)は、老齢ながらロンドンきっての敏…

前世紀探険(CESTA DO PRAVEKU)

時間の川をさかのぼり、古代を探険することとなった4人の少年たち。その世界の空には始祖鳥や翼竜がはばたき、さらに4人の眼前では恐竜同士の激しくも過酷なバトルが繰り広げられる。古代世界を舞台に彼らのサバイバルが始まった。 実写とアニメを組み合わせ…

満員電車

コミカルホラーというジャンルでいいのでしょうか。 現代社会の息苦しさを延々描いているが、飄々とした登場人物のせいかそこまでシリアスには感じない。超前向きな川口浩を見ているとちょっとおかしみさえ感じる。それが狂ってるってことかもしれないが。 …

驟雨

陰気な原節子が観れる。 しかし何の結論もなく紙風船を打ち合いながらお茶を濁して終わる……これが夫婦生活ってものかもしれまへんな。(2008年6月・日本映画専門チャンネルで)

鰯雲

あんまり面白いと思えない。農村を描いているだけあって華がない若々しさがない。 不倫を描いたり農村の崩壊を描いたり、なんとなく寂しげで社会派的なのも……モニョモニョ。 ただとても丁寧な映画なので星3つ。 (2008年5月22日・BS2で)

女性に関する十二章

市川昆作品。 これは結構おもしろい。女性が元気で男性も元気で溌剌と悩んでる所がすごく羨ましい。こちらの気分も晴れる思い。上原謙の西洋かぶれ偽紳士も最高。 昔のアメリカ映画みたいなテンポで非常にお洒落。思わぬひろいものをした。 (2008年5月26日…

羅生門

芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せに…

稲妻

バスガイドとして働く清子には2人の姉と一人の兄がいた。しかし、4人とも父親が違った。ある日、長姉夫婦が清子に縁談話を持ちかけるが、清子には姉夫婦の意地汚い魂胆が見え透いてしまいとても話を進める気になれない……。 成瀬監督の作品でも私は「浮雲」…

東京物語

皆が知ってる日本の宝。なんだけど、個人的には小津映画の中で1番手でも2番手でも3番手でもなかったりする。捻くれ者だから、でも小心者だから★4つ付けているという私の中では微妙な映画。 名作、ではあるんだろうなあ。でもはっきりと好きです!と手を挙げ…

ぼくの伯父さん(Mon Oncle)

私の敬愛するカウリスマキ(アキの方)がベスト10に選んでいたので観た映画。 あまりにも前に見たのでストーリーはさっぱり忘れてしまったのだが(確かほのぼの系だった)、58年でもフランスは当然の如くお洒落だったのねと感心させられる非常にビビッドでア…