猫が星見た

映画の感想

グエムル─漢江の怪物─(The Host)

ソン・ガンホポン・ジュノペ・ドゥナも絶対に裏切らない人たちだ。期待した分だけ充分に満たしてくれる。しかしこの映画は本国では大ヒットしたけど日本ではさっぱりだったのだよね。まーそれもすごく分かる。凄く地味だもんな。公開当時予告編が異常に流れてたけど、ああいう売り方は違うよなー。あれ観て期待して行った人って、パニック映画としてあまりの半端さに困っちゃったんじゃないかなと思う。私はポン・ジュノを知っているのでパニック映画としての期待は全くしてなかったけど。
ポン・ジュノ監督がにくいなあと思うのは、何事も大げさじゃない所。アメリカ風刺は毎度入ってくるんだけど、くどくないのがいい。スピルバーグの戦争モノみたいに説教くさくない。あと現実味とファンタジーの比率が凄く私好みである。そんなことありえねーだろ、あ、そんな地味な所に着地するのね、を繰り返して非常によいバランスを保ってる。そんでこの監督の映画に出てくる登場人物の小市民さが凄く好き。気が弱いけど確固たる正義感みたいなものを持っていて身近かつ羨望を持つ感じ。
一点気になったのはジャケットかなー。なんかずれてるジャケットだなと思う。だってそういう話じゃないもん。
WOWOWで・2007年4月28日)