猫が星見た

映画の感想

県庁の星

K県庁のキャリア公務員、野村聡。プライドが高く、組織の中でいかに出世するかが人生の目的のすべてという極端な上昇志向の持ち主。ある時彼は、県政の目玉プログラムである民間企業との人事交流研修のメンバーに選出される。ところが、派遣されたのは田舎の三流スーパー“満天堂”。しかも、野村の教育係となった二宮あきは自分より年下のパート店員。それでも出世のためと意気込む野村だったが、書類とマニュアル優先の仕事しか知らない野村はまるで役に立たず、現場主義で実戦派の二宮ともことごとく衝突してしまうのだった。

TV局が関係してる映画ってみやすくはあるんだけど、映画としての醍醐味みたいなもんが全くない。意外性がなく全て予定調和で進んでいくので、結局爪でも切りながらTVで観て充分なんだよな。
この映画の内容はほんとステレオタイプ。エリートが庶民に感化されて開眼していくサクセスストーリーで織田裕二の十八番なジャンルなのだが、どうも織田裕二のエリートには魅力がとんとない。「お金がない!」とか「踊る」とかの熱いイメージがありすぎでこんな平凡な男だと物足りない。はっきりいって生の織田裕二世界陸上)の方がKYで面白い。
それで織田裕二はもう恋愛要素はだめだと感じる一本。全くドキドキしない恋愛模様である。柴咲コウとの年の差もあるが、なんというか明らかに織田裕二柴咲コウに対して恋愛の演技をしていないので、木偶の坊に“デートに付き合わないか?”と言ったところで恋とか愛とかが全く感じられない。織田裕二柴咲コウはきっと撮影中仲よくなかったろう、と私は邪推する。どっちかっていうと和田聰宏柴咲コウのやりとりの方がドキドキするのは私だけだろうか。
(2008年6月7日・フジテレビで)

県庁の星 スタンダード・エディション [DVD]

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