猫が星見た

映画の感想

PLASTIC CITY プラスティック・シティ(PLASTIC CITY)

幼い頃にアマゾンのジャングルでアジア系ブラジル人のユダに拾われ、息子のように育てられた日系ブラジル人のキリン。青年となった今では、ユダの右腕としてショッピングモールの闇家業に従事する日々。そんな中、裏社会を仕切るユダの失脚を狙う勢力が台頭、ユダはハメられ投獄されてしまう。命の危険が迫るユダを救い出すため、自ら激しい抗争の渦に身を投じていくキリンだったが…。


ネタバレ注意。




とってもおしいで賞。
最後までストイックな演出を貫き通せれば、今年初の5つ星になったのかも。
途中から宇多田ヒカルの元旦那作品みたいになったので、私はすごく冷めた。なんで普通に汗臭い感じじゃダメなんだろう。
映像と音楽がすごくいい。かっこいい。熱い。汗臭い、心騒ぐ熱帯系で久々に映画の世界に入り込めた(途中まで)。
最後の方はぐだぐだでストーリーが崩壊。ユダ(アンソニー・ウォン)は刑務所で生き残ってその後楽しそうに暮らしてたのに何故自殺したのか。しかも息子であり、戦友ともいえるキリン(オダギリ)の手を借りて。そのへん、全く解せなかった。そして死ななくてもなんとかなったと思うし、その方がストーリー的にもよい。なんかあれじゃあ、人生に負けたら死ぬしかない、みたいじゃんねえ。人間の汚い所、どろどろになっても生きるところをもっと存分に見せてほしかった。

俳優陣は予想通りの満足点。髪の毛切る前までのオダギリ・ジョーはすばらしくよい。アンソニー・ウォンはオダギリを立てる感じで控えめな演技が流石。
おもしろいとはいえないけど、私は好きだなあ、この映画。
(2009年4月2日・神戸の映画館で)