猫が星見た

映画の感想

レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―(赤壁)

80万の曹操軍をわずか5万で迎え撃つ劉備孫権連合軍は、軍師・孔明の知略と指揮官・周瑜の活躍でどうにか撃退に成功する。思わぬ大敗にも依然圧倒的な勢力を誇る曹操は、2000隻の戦艦を率いて赤壁へと進軍する。そんな中、曹操軍には疫病が蔓延してしまうが、非情な曹操は死体を船に積み、連合軍のいる対岸へと流す。これにより連合軍にも疫病が拡がり、ついに劉備は自軍の兵と民のため撤退を決断する。ただひとり戦地に残り、周瑜とともに戦う道を選んだ孔明だったが、劉備軍が持ち帰ったことで生じた矢の不足の責めを問われてしまう。すると孔明は、周瑜に3日で10万本の矢を調達してみせると宣言するのだったが…。


ネタバレ注意



大甘で星3つ半でしょうか。戦いのシーンに星3つ。あとはなんとなく星半個。
エンタメとしては及第点以上で2時間半飽きずに観られる。映像は迫力あるし、俳優が素晴らしい。
今回光ってたのは曹操役のチャン・フォンイーのような気がしました。ああいう壮大な演技がすごく似合うし巧い。曹操に同情してしまったくらいに巧い演技。あとニヤケ金城孔明。矢を奪いに行く所のニヤケはよかったですねえ。結構あのニヤケにハマルとそれなりに見えてきます。それとパート1に引き続き脇役は皆いい味出してました。特に呉の軍師(魯粛?詳しくないからわからん)とか黄蓋(だと思う)とか。パート1でファンになった趙雲も出番は少なかったけどおいしいとこどりでしたね。
それに引き換え、パート1にしても今回にしてもトニー・レオンはだめでした。全然こんな役似合わない。冬至の祝いで、餅をみんなからもらう所でニコっと笑うんだけど、あのひきつりようはなんとかならんのか!でかいスクリーンに似合わない笑い方。大作だと一気に輝きを失ってしまう彼でした。
あと私の好きなチャン・チェンはおいしくない役を選んだなーという気がします。どの人もそれなりにかっこいいのに、孫権はイキがった若造でちょっとヒステリックな君主という感じ(もちろんそういう風に演じてたんだと思いますけど)で観ててあまりすかっとしない。金色の鎧とかもちょっと滑稽だし。うーん、チャン・チェン周瑜孔明だったらなあ……。



これだけはやっぱり言いたい、多分皆つっこんだと思うんですが、ヴィッキー・チャオの「デブ助だよ!」事件。
ジョン・ウーってこんなん好きですよね。えっそんな恥ずかしい演出やっちゃうの!?という。20年前なら許されたでしょうが、今やこれで失笑する人はいても泣く人いないでしょう。戦闘シーンで盛り上がっていただけに、あれは残念。私は未だにこれをやっちゃう監督に驚きました。驚いて笑いそうになってしまった。どうしてもドラマに女を介入させないといけない古臭い感覚はなんとかならんのかーーー



いつも通り批判だらけなんですが、映画館で観る価値はあると思います。やっぱ魅せるところはちゃんと魅せてくれたから、それだけで充分な気がします。
(2009年4月12日)