猫が星見た

映画の感想

重力ピエロ

泉水と春は、優しい父と今は亡き美しい母の愛情に包まれて育った仲の良い兄弟。兄の泉水は遺伝子の研究をする大学院生。一方、街中で落書き消しの仕事をしている弟の春。彼らが暮らす仙台市内は、頻発する連続放火事件に揺れていた。あるとき春は、放火現場の近くに必ず謎のグラフィティアートが描かれていることに気づく。事件との繋がりを直感した春は、泉水を誘って夜の街で張り込みを開始するが…。


現在絶賛上映中。ネタバレご注意。







こういう青臭いむずがゆい話が個人的に好きです。
家族というものになにかしら理想やら想いがある人はこの映画を観ると癒される、のかも。
推理ものというよりは、家族の絆を描いた人間ドラマ。話は正直メリハリがないけど、俳優陣はなかなか魅力的。
小日向文世に2星、岡田将生に1半星、加瀬亮に半星、鈴木京香に半星、渡部篤郎マイナス半星。
小日向さんがいなければ決して成り立たない映画の雰囲気。あと岡田君はかっこよすぎて加瀬亮を食っていたと思う。渡部篤郎は演技勉強した方がええで……いつもアレやん。

実際に映画の内容みたいなことが起こったら、こんな穏やかな気持ちなわけないやん!笑顔でいられるわけないやん!人を信じられるわけないやん!と当然思うんだけど、一方でドロドロの人間の汚い感情を映画の中でまで観たくないとも思うので、この映画はへなちょこ映画ではあるが癒しの映画でもあるなと思う。ここらへんは好き嫌いの問題であろう。映画で本当の人間の姿がみたいか、理想のオキレイな姿が観たいか。
私は今日疲れていたので後者だったようだ。もう少しなにかしらパンチがあったら星4つ半だったかも。
私が一番感動した、というか心に残ったシーンは、なぜか引越しのシーン。ああやって家族のことを思って住む場所をすぐ移せるってすばらしいと思う。旦那にするなら絶対行動力のある頼れる人だな、と思った。
加えて最初と最後のああいうシーン大好きだから、いい年になってもぞわっと来てしまうから、まあそれだけでも映画館で観てよかったかなと思った。

(2008年6月入梅