猫が星見た

映画の感想

ゴッドファーザー(THE GODFATHER)

言わずと知れたコッポラの代表作であると同時に、70年代屈指の娯楽映画の傑作。夏の陽射しが眩しいコルレオーネの屋敷。そこで行われている彼の娘コニーの結婚式からこの物語の幕は上がる。華やかな音楽も届かない書斎では、ブラインドが降ろされ、その中でドン・ビトー・コルレオーネが友人たちの頼みごとを聞いていた。彼は相手が貧しく微力であっても助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやっていた。彼への報酬と言えば、ささやかな友情の証と、“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という尊称だけ。そしていつなりとも彼の呼び出しに応じ、恩を返せばよかった。これが彼らの世界であり、その掟であった。そんなある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォが仕事の話を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要とした判断からだった。しかしドンはその話を丁重に断る。彼はドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると鋭く見てとり、その日以来機会を狙っていた。そして早い冬の夕暮れ、一族の経営しているオリーブ・オイル社から出てきたドンは、街頭でソロッツォの手下に襲われた。銃弾を何発もうけたが、強靱な彼は一命をとりとめる。これは、ドンが築いてきた強大なコルレオーネ帝国とその支配力に対する初めての挑戦だった。ソロッツォの背後にはタッタリア・ファミリーがあり、すでにニューヨークの他のファミリーも動きだした。こうして1947年の戦いは始まってゆく……。

実は初めて観ます。
色んな人からとんでもない映画だと聞かされていたけど、確かにマフィア映画の金字塔というのは紛れもない事実だろうが、私にとっては一生のうちでベスト5に入る映画とは言えない。マフィア映画であればシリアス系よりも荒唐無稽の方が好きな私にはゴッドファーザーの男達の悩みと粋さは重過ぎる。
マーロン・ブランドの死ぬほど聞き取りにくい英語、アル・パチーノの不気味な迫力、時代の匂いがプンプンする映像の厚み、どれをとってもやっぱ傑作なんだろうなあ。ただ私は比較的自分と主人公を投影して映画を観る傾向にあるので、実生活からかけ離れた彼らの生活は渋いと思えてもやっぱり星5つはつけられないのであった。
タイトルロゴがとてもかっちょいい。
(2009年7月)

ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション DVD BOX

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