猫が星見た

映画の感想

THIS IS IT(THIS IS IT)

2009年6月、誰もが驚いたスーパースターKING OF POP MJの突然の死。
予定されていた最後のコンサートツアーのリハーサル映像をメインとした本当のMJの姿。

これを映画という分野にするのは疑問だが、映像としての力はある。
そんでその力の源はMJとパフォーマーたちの熱意。
大した工夫がなくても、パフォーマーが素晴らしければ、映像として見ごたえがでるということを証明した映像作品。

私は90年代のMJを聴いた世代。彼の全盛期は80年代だから、そのときはもう爆発的人気という感じではなかったけど、それでもそのパフォーマンス、イマジネーションには驚かされたものだ。
正直言うと顔が怖いのだが、彼のパフォーマンスを観るとそんなことどーでもいいんだよっ!かっこいいなあ!となる。
今回もしかり。さすがに年齢の衰えは隠せないが、にしても50歳の動きではない。天性のリズムが身体に漲っているし、声も美しい。
私の4,5歳下の年代になるとMJを奇人としか捉えてない人が多くて、彼のパフォーマンスを知らないなんて(知ろうともしないなんて)もったいないと思っていたが、この映画が公開されて多くの人が彼のゴシップ以外の事を知ったのはとても嬉しい。MJをあがめて狂気する人たちが理解できるでしょ?と言いたい。
この映画を観て、私が死ぬまでにここまでのアーティストは出てこないだろうと思ってその存在に黙祷し、哀しくなった。彼が生きていた時代に自分も一緒に生きていたことが幸せと思おう。
(2009年11月)