猫が星見た

映画の感想

マリインスキー・バレエの「白鳥の湖」を観てきました。
いやーロパートキナの白鳥はもはや人間が踊っているとは思えない美しさ。
まさしく目の前で白鳥が羽ばたいているような錯覚をおこさせます。感情をセーブした上品な、ちょっと憂い気な感じも最高でした。目から鱗の神秘性・処女性を感じました。最低限の足音すらしない!人間の血が通ってる感じが全くしなかった!
黒鳥の方はうってかわって小悪魔的な笑顔でややシャキーン!とした感じ。でも黒鳥は誰が踊ってもこんな感じで観慣れていたのでsosoという感じ。とにもかくにも白鳥の美しさにつきる。
私が今まで観てきた白鳥はやや体操的で、白鳥も王子もイマイチ何を考えてるか分からない上に、ストーリーが相当まぬけなのでそれほど好きじゃなかったのですが、今回、バレエといったらコレ、の醍醐味がようやく分かりました。「白鳥の湖」を観るなら絶対に白鳥を十八番にしているバレリーナで観るべきですね。
ずっとずっとロパートキナを観続けて、ほかの人が空気になってしまいました。特に王子なんて相当空気。
前から思ってたんですが、「白鳥の湖」の王子を演るダンサーはかなり割りにあわないんじゃないかなと思います。通の人なら良し悪しが分かるんでしょうけど、素人にとってはまじで空気。あ?そこにいたの?ちょっとジャマよって感じになります。どっちかっていうと道化師の方がオイシイ。
今回、ハッピーエンド版で各国の王女の踊りがなかったのがちょっと残念ですが、それを差し引いても全くもって凄い。凄いよ白鳥。ロパートキナの白鳥は一生に一度は観るべきだよ。あの手の動き、本当に白鳥がそこにいたよ。