猫が星見た

映画の感想

マニュエル・ルグリの新しき世界 Bプロ


正直言って、東京までわざわざ行ったのを後悔しました。
この間東京に行って観たのが世界バレエフェスティバルで、これがもー段違いに素晴らしくてそれが2万ちょいの値段。今回1万六千円。
ちょっとしか違わんのに、これはないで〜詐欺〜と思いました。
ルグリとギエムが一緒に踊るのは最後であろう、ということでわざわざ行ったのですが……
さすがに全ての演目の中ではダントツに印象に残る2人ですが、なーんかしっくりこない。
踊りの質が違うというのもありますし、身長の問題もありますし、なんつーか一緒に踊っててどちらもいい、という感じにならないんですね。
あの部分はギエムがよかった、別の部分ではルグリがよかった、みたいな。それやったらソロでいいわけで……
往年のあのペアが復活、という感じ以上でも以下でもなく、これオンリーに1万六千円は正直高かった。

他を挙げるとすると、フラメンコダンサーのヘレナ・マーティンさんがよかったです。
ストール(?)を使った踊りで、これぞフラメンコという踊り(私はフラメンコの手の動きが好き)じゃなかったのが残念なんですけど、出演したダンサーの中で最も自分の表現したいことを表現されてたんじゃないかなと感じました。身体もきれてましたし。カテコでも堂々としてかっこよかったですし。

失われた時を求めて」は面白い振り付けだと思いました。ただ、ダンサーが……下手というんじゃないんでしょうけど、踊りきれてないように感じました。
この作品をもっと熟練した踊り手に踊ってほしい。それでそれをみたいなと思いました。




不満ばかりになりますが、これだけは強く言いたい。
ピアノが下手糞すぎ。特に「アザー・ダンス」はびっくりした。
ミスタッチ、音抜けは当然、それに加えて吐き気を催す強弱の付け方。どこが主メロディかさっぱりわかりまへん。
がしがしピアノ鳴らしてどーすんのアンタと言いたい。
この渡邉浩子という人はプロなの?コネなの?なんなの?バレエフェスでもこの人のピアノだったようですが、その時はオーケストラがいたのであまり気づかなかった。
そこらへんの音大生を連れてきた方がいいと思いました。へたくそすぎて踊りに全く集中できませんでした。
1万六千円出してこんな下手糞なピアノきかされるとは腹立たしい。この人はプロ意識ゼロと思いました。踊るダンサーが可哀想すぎる。

そしてヘボイ踊りでもブラボーと毎回言う輩はいったいなんなんでしょうか。
下手だなあ、いまいちだなあ、と思った時は、それなりの表現をすべきだと私は思いますよ。(毎回いいなあ、と思ってるとしたらアホだなと思う)
だからいまいちな時は私は軽く拍手します。逆にいいなあと思った時は思い切り拍手します。てか振り切れて凄い時はそんなこと頭で考えてないものですが。
ダンサーが努力しているのはわかるし、いまいちでもとりあえず拍手、というのはまあ分かりますけど、その優しさが何を育てるっていうのかなあというのが私の考え。
発表会じゃないんですから〜。プロのダンサーと日々がんばってお金稼いでるプロの観客(笑)なんだから、そんな変ななれ合いはやめてほしい。


とりあえず、バレエフェスくらいのお得感がない時は、東京には行かないことに決めました。



これは昔のルグリとギエム