猫が星見た

映画の感想

桃さんのしあわせ

同じ家族に60年間仕えてきたメイドの桃さんが、ある日、脳卒中で倒れた。雇い主の息子で敏腕映画プロデューサーのロジャーは、もう仕事ができないからメイドを辞めると桃さんから告げられ、彼女のために老人ホームを探す事にする。ロジャーはその法外な費用に驚愕するが、かつての仕事仲間バッタの手配で、無事桃さんはホームに入所する事に。環境の変化に戸惑いながらも、芯の強い桃さんは次第に周りと打ち解けていく。

涙は出たんだけれども、それは人の死に対して単純に悲しいだけで、物語が泣けたということではなかったかなー。
メイドはメイドでしかないし、結婚もせず家族のいない桃さんが孤独なのは孤独で、でも雇い主のロジャーは自分の母親以上に愛情を感じてるし、周りの人間も然り。身内がいなくても面倒を見てくれる人がいる桃さんははっきりいって幸せ者だ。
そう珍しくもない題材であるが、この映画ではそれを淡々と描いていたところに好感が持てた。
桃さんの孤独を映画的に際立たせるでもなく、ロジャーの愛情をくどく描くわけでもなく、ラストなんかびっくりするくらいあっさりしている。
そういった点で私好みなんだけど、なんかパンチが足りなかったと思う。アンディ・ラウはこの役をやるにはちょっと浅すぎたんでは。
膵臓の手術?をする前に桃さんとロジャーと神父さんとお祈りをする所が印象に残った。