猫が星見た

映画の感想

強奪のトライアングル(鐵三角)

ツイ・ハークリンゴ・ラムジョニー・トーという香港を代表する3人の監督が、それぞれ3分の1ずつ受け持ち、事前の打ち合わやあらかじめ完成された脚本がない状態で前のパートを引き継ぐ完全なリレー形式で1本の作品を撮り上げる、という遊び心あふれる前代未聞のスタイルで製作した異色のクライム・サスペンス。リレーの順番はツイ・ハークを先発に、リンゴ・ラムが中継ぎ、仕上げにジョニー・トーの順。出演はサイモン・ヤム、ルイス・クー、スン・ホンレイ、ケリー・リン。
 サン、ファイ、モクの飲み仲間3人組。それぞれ金に困っている彼らがバーで強盗話をしていたところ、謎の老人が現われ、思わせぶりに名刺と金貨を置いていく。気になった3人が名刺のサイトを調べてみると、古代の秘宝の隠し場所が記されていた。さっそくその場所に忍び込み、本物の秘宝を手に入れてしまう3人だったが…。

ツイ・ハークリンゴ・ラムジョニー・トーのリレー映画という、香港映画好きならたまらない企画ものなのだが、意外と平凡だったなという印象。特にジョニー・トーの部分がぬるかった。
ツイ・ハークの謎めいた導入部やリンゴ・ラムのアクション部分はなかなか見所があったんだけど、ジョニー・トーのあの締めはいったい・・・。香港映画らしいまぬけさはあったけど、クールさはなかった。私個人としてはクールなエンディングがみたかった映画かな。人情アクション映画という感じで、巨匠3人があつまったわりには凡作だった。リレー形式は面白くはあるけど、それが傑作になるかは難しいところ。

強奪のトライアングル【DVD】

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