猫が星見た

映画の感想

やがて哀しき復讐者(報應)

エグザイル/絆」のジョニー・トー製作、アンソニー・ウォンリッチー・レン共演で贈る香港ノワール。監督は「タクティカル・ユニット 機動部隊 -絆-」のロー・ウィンチョン。大手不動産会社の社長ウォンは、悪友と放蕩にふける娘デイジーに手を焼く日々。ある日、手荒く叱責するとデイジーは家を出て行ってしまう。数日後、ウォンのもとに、誘拐されたと助けを求めるデイジーの動画とともに身代金を要求する連絡が届く。ウォンは娘の狂言と確信し、警察に届けることなく自ら取引現場へと向かう。ところが途中で身代金を奪われてしまい、やがて娘は無惨な遺体となって発見されるのだった。復讐に燃えるウォンは、裏社会に通じた腹心の部下チュウを使い、犯人を追い詰めていくが…。

トー組のロー・ウィンチョンの作品。
丁寧につくっていてそれなりに見応えはあるんだけど、観客が一番知りたい点を謎のまま終わらせた時点で傑作にはならないかな。一番重要な部分が明かされないし、予想もできない。
”犯人はなぜ誘拐したのか、なぜ殺したのか”を私はすごく知りたいんだけど、監督にとってはどうでもよかったのかな。ただ人間の復讐心というものを描きたかっただけかもしれない。残った息子のことについてもなにもないまま終わってしまったし、微妙に中途半端だと思う。