猫が星見た

映画の感想

のぼうの城

天下統一を目前にした豊臣秀吉は、最後の敵となった北条勢への総攻撃に乗り出す。包囲された小田原城を残し、支城が次々と陥落していく中、周囲を湖に囲まれ“浮き城”の異名を持つ“忍城”にも危機が迫る。ところが、小田原城の援軍に向かった城主・成田氏長に代わって城を任された従弟の長親は、のんびり屋で何を考えているか分からず、武将としての器も到底あるようには見えなかった。しかしなぜか領民からは慕われ、“でくのぼう”が由来の“のぼう様”という嘲笑と親しみが入り交じるアダ名で呼ばれていた。そんな長親に対し、秀吉の命を受けた石田三成が総勢2万の大軍を率いて開城を迫ってきた。忍城に残る500の軍勢では太刀打ちできるわけもなく、長親に秘かな想いを寄せる城主の娘・甲斐姫や、長親の幼なじみで歴戦の猛者・丹波はじめ、誰もが開城を受け入れるものと思っていたが…。

評判通り、まとまっていて映画っぽい盛り上がりも多く、145分という長丁場にもかかわらず食い入るように楽しんで観れた。
なのに★4つしかつけないのは、面白いが故に目立ってしまう疑問点・・・のぼう様はなぜそんな人望があるのか、ということにつきる。
もちろん、のぼう様はやるときはやるかっこいい優しい男だっていう前提があるのは分かるんだが、映画の中で説得力のあるエピソードがちゃんと描かれてないがために、頭では分かるが心にはまったく響いてこないのだった。
役者の演技や合戦の描き方、たんかをきるところなどわくわくするシーンが多く大変面白いだけに、のぼう様のうつけっぷりだけじゃなくて策士っぷりもちゃんと描けばもっときもちよくカタルシスを得られるように出来たんじゃないかなあと大変残念。
野村萬斎についてはある意味簡単な役柄なので残念ながらワンパな気がしたが、佐藤浩市成宮寛貴山田孝之が大変魅力的でうまかった。特に山田孝之はうまいなあ。

のぼうの城 通常版 [DVD]

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