猫が星見た

映画の感想

観相師(THE FACE READER)

顔を見ただけで性格から寿命まで全てを見抜いてしまう天才観相師ネギョン。田舎での貧しい生活から抜け出すため、都の芸妓ヨノンに招かれて観相業を始める。すると運勢ばかりか殺人事件の真犯人も暴いてしまい、たちまち評判となって、宮廷内にもその名を轟かせることに。やがて、“虎”の異名を持つ有能な高官キム・ジョンソの信頼を得て宮中の要職に抜擢される。ところが、宮中では王位を巡って水面下で壮絶な政争が繰り広げられており、恐ろしい陰謀が渦巻いていた。そんな中、王の弟・首陽大君の顔に残忍な狼の相を見抜いたネギョンだったが…。

特に期待していませんでしたが、コミカルとシリアスが混じり合って、なかなかどうして面白かったです。
よくある権力争いモノですが、役者がうまいですし、ストーリー展開もテンポがよくて、2時間超えでも集中して観る事ができました。
ソン・ガンホは予想を裏切らない相変わらずのうまさです。コミカルもシリアスも絶妙のバランスで演じ分けます。あと、息子思いの父親っていう役柄がぴったりです。ソン・ガンホ目当てでしたが、義弟役のチョ・ジョンソクややり手芸妓キム・ヘスなど、脇役もかなり魅力的で光っていました。
それに対してイ・ジョンジェはギラギラした悪役って言うだけで、深みはなかったかなと思います。ドヤ顔しているだけだしね。真の悪ともいえるブレーン役の人は意外と小者っぽい顔で拍子抜けしました。その辺りはちょっとつめが甘い映画かもしれません。
なにはともあれ、エンターテイメントとして面白いので、アジア映画好きにオススメです。Cinema Scapeでもall cinema onlineでもレビューがひとつもないのがおどろきです。それくらいには面白いです。