猫が星見た

映画の感想

青い鳥

新学期、東ヶ丘中学2年1組には休職した担任に代わり、臨時教師の村内先生が着任した。前の学期、男子生徒の野口がいじめが原因で自殺未遂へと追い込まれ、転校を余儀なくされていた。マスコミにも騒がれ、学校側は生徒指導の強化などにより、生徒たちの反省と改心が進んだとして事態の沈静化を図っていた。そんなクラスにやって来た村内先生は、極度の吃音だったが、着任早々言葉少なに発せられたひと言は“忘れるなんて、ひきょうだな”という意外なもの。そして、日直に命じて転校した野口の机を教室に戻させ、その机に向かって“野口君、おはよう”と語りかけるのだった。だれもが野口のことを忘れようとする中、村内先生の挑発的ともとれる行動は、生徒ばかりか教師や保護者たちにも大きな波紋を投げかける。

久々に悲しくも感動してもないのに無意識に泣けた。
阿部ちゃん(好きだけど)のわざとらしい演技はちょっと嫌だが、本郷奏多の繊細な演技が光る。セリフが少ないながらも、役者の表情で観客に訴えかけてくる稀な映画。
子供の世界は狭くてすぐに破綻してしまうから教育が大事なんだけど、教育者の世界も狭いからなかなかうまくいかないこの世の中。教育の現場って周囲が思っている以上に腐っているんじゃないかな。阿部ちゃんは言わずもがな、伊藤歩のような先生ですらもういないのかもしれない。
真剣に言葉を聞いてくれる人、聞こうとする人がいれば、子供でも大人でも孤独に耐えられるのかもしれない。そんな簡単なことをただ教えてくれる、題材はいじめだけど、その奥にある何かを感じられた映画だったと思う。
ちょっと思わせぶりのやりすぎのカットがあったので、★-0.5

青い鳥 [DVD]

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