猫が星見た

映画の感想

ゆれる

単館なのに非常に話題になっていたのでストーリーや演出方法が奇抜なのかと思ったが、あまりに普通で単純で驚いた。普通で単純なのにこんなに印象に強く残るものかと思って驚いた。心理描写の緻密さ、丁寧さが近年の邦画では突出していると言ってもいいかもしれない。ラストにえ〜!?と思う人もいるだろうけど、だって人間いつもゆれるんだから、そういうこともあるんだ。オダギリ・ジョーの華ある立ち姿もいいが、流石なのは香川照之のリアルな田舎のどんくさい兄の姿。今まで香川と仲良かった真木よう子が、オダギリの出現によって兄がうざくなってくる所なんて人間の心理として非常に的確だなあと思った。つり橋で香川に触れられて真木がすごい嫌がるところに非常に納得した。そしてそれにショックを受けて苛立つ香川にも。そんで真木をやや鬱陶しく思うオダギリも。3人の性格というか立ち位置が非常に“わかる!”ので、そういう細かい所が的確だとストーリーの流れを違和感なく見ていられる。
(DVDで・2007年4月22日)

ゆれる [DVD]

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