猫が星見た

映画の感想

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

グエムル─漢江の怪物─(The Host)

ソン・ガンホもポン・ジュノもペ・ドゥナも絶対に裏切らない人たちだ。期待した分だけ充分に満たしてくれる。しかしこの映画は本国では大ヒットしたけど日本ではさっぱりだったのだよね。まーそれもすごく分かる。凄く地味だもんな。公開当時予告編が異常に…

涙そうそう

同監督の泣かせ系「いま、会いにゆきます」がちっともツボに入らなかったので、タイトルからして泣かせ系以外ありえないこの作品も絶対ツボをはずすだろうと全然期待していなかったが、見事に泣かされた。ミエミエの泣かせ系のいやらしさを感じることなく泣…

リベラ・メ(Libera Me)

炎のすごさ(全部本物とはお見事)、消防士の男気あふれる格闘は圧巻なんだけど、ドラマ部分がセコくていらない。哀しい過去を持つ犯人を巧く描いて同情させるというのは非常にハードルが高い。この作品では後半部犯人に同情させたいような表現なんだけど、…

ベロニカは死ぬことにした

「ゆれる」とか「ALWAYS 三丁目の夕日」とかを見て最近の邦画はようやく精度が上がった(変な言い方だが)なあと思ったのだが、そういう邦画への印象もこれを見て一気に台無しになった。破壊的につまらない。原作もこんなにつまらんの? なにもかもイヤー!…

ボンボン(El Perro)

犬しべ長者の話。アルゼンチン産。 哀愁+ほのぼの系の映画はやや見飽きているし、佳作が多いジャンルでもあるので、この程度では感動できない。しかも1800円出しているので辛目に観てしまう。とりあえず1800円の価値はない。その上邦題が全然センスがないな…

過去のない男(Mies Vailla Menneisyytta)

同監督の「浮き雲」に展開が非常に似ている。カンヌで賞を獲っており、カウリスマキ作品の中で最もメジャーな作品であるが、いつもほど殺伐としていないので不幸→幸福のありがたみをあまり感じず、不思議なことに私にとってはカウリスマキ作品の中で最もイン…

B型の彼氏(My Boyfriend is Type-B)

B型は万国共通で他の血液型から嫌われるのだなあ。ちなみに私はB型だ。科学的に証明されていなくても血液型によって性格分類されるのは多くの人は共感してるのだなー、大阪人=うるさい、みたいな感覚でB型=自己中なのだな。ごくたまにハッキリものを言うと…

オリーブの林をぬけて(ZIR-E DERAKHTAN-E ZEYTOON)

アッバス・キアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」「そして人生はつづく」に続く三部作。 私は「友だち〜」は好きだが「そして〜」は苦手、そしてこの作品は再び好きである。他愛ないことを退屈に感じるかほほえましく感じるかは紙一重であるなあと思う…

UFO少年アブドラジャン(Abdulladzhan,Ili Posvyaschayestya Stivenu Spilbergu)

“拝啓 スティーブン・スピルバーグ様 映画を楽しく拝見しました 私の町でも似たようなことがあって───”で始まるとても粋なSF。ここの映画とは「ET」のことを指すのだが、この出だしのセンスのよさだけで私はたまらん気持ちになる。チープ・ゴージャスは私の…

硝子のジェネレーション(新古惑仔之少年激闘篇)

香港映画を沢山観るわりに極道モノが苦手だ。なんというか、イキがって失敗イキがって失敗、それでも極道の道へ〜というのが人間の気持ちとしては分かるんだけど、どうしても馬鹿らしいと思ってしまうんだね。なんでお前らはそんなに意地張って戦うんだって…

流星(流星語)

チャップリンの「キッド」をモチーフにした作品。意外といい作品だと思う。ラストが典型的なお涙頂戴ではなく甘すぎないのでそこが私は気に入った。やや庶民的なレスリー・チャンを観る事が出来る。 (多分BS-2で・2003年3月14日)流星 [DVD]出版社/メーカー…

オースティン・パワーズ(Austin Powers)

マイク・マイヤーズが生理的に受け付けない。あの顔で下ネタかまされると面白いより先に気持ち悪くてしょうがない。あとこの真似真似しい内容はなんだろう。パロディのパロディというなんとも他力本願な手なのだが、まあそれでC級の顔をしてくれれば許すが世…

タルコフスキー・ファイル IN 「サクリファイス」(Dzrected By Andrej Tarkovski)

タルコフスキー監督の遺作「サクリファイス」の現場を撮ったドキュメンタリー。この監督がいかに詩人で画家であったか分かる内容になっている。資本主義とは全く関係のない芸術家であるなあ。今やこういう映画監督は世間に許されないであろう。彼の作品が愛…

力道山(RIKIDOZAN)

ソル・ギョングうまいなー!七変化の役者だなあ。確かに日本語はややたどたどしいが、口だけじゃなくてちゃんと演技しているのが分かるので私は全く気にならずにドラマに入り込めた。体つきもどうトレーニングしたんだっていうくらい凄い。もう別人っていう…

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(Pirates of the Caribbean:Dead Man's Chest)

なんか話が分かりにくいなーと思うと100%戸田奈津子翻訳である。私は聞いてすぐ分かる程英語が得意とかでは全くないが、日本語が変なのは分かる。戸田さんは第一人者で素晴らしい点もあるとは思うのだが、今それなりに翻訳のプロが育った中でのその英語力と…

人形霊(The Doll Master)

効果音で結構びびらせてくれるが、話自体はすげーくだらない。くるぞくるぞと思わせる予想を持たせながら、分かっていてもきた時やっぱりびびってしまうということはお化け屋敷であれば一流なのかもしれないがホラー映画としてはどうなのか分からない。とに…

ドグマ(Dogma)

聖書を題材にしたコメディ? 宗教モノは知ってないと全然面白味が分からない。しかもそれがシリアスであればなんとなくでも観られるがコミカルの方面にいくと私なんかはさっぱり理解出来ない。宗教をお遊びにしてる悪ノリの作品としか思えないのだよね。宗教…

デイジー(Daisy)

アンドリュー・ラウのニオイがプンプンする。韓国映画色はちっともない。 それなりなのだが、前々から思っていたことで、アンドリュー・ラウは恋愛を描くのがいまいちだと思う。男の勝負の部分は非常にかっこいいのだが恋愛を絡めることによって微妙に古臭い…

リプレイスメント・キラー(The Replacement Killers)

チョウ・ユンファのハリウッド進出作。 評判が凄く悪かったので流し見したが、ブーブーに言われるほどには悪くないじゃん。最初は正統派に銃撃戦をやっているのだが、ラストで待ってましたの如く二丁拳銃に行き着くのがちょっとおかしかった。やっぱりそこな…

ノスタルジア(Nostalghia)

映像叙情詩。 “ロウソクの火を消さないように広場を渡る” この映画ではっきり覚えているのはそこだけなのである。生と死、火と水、そこだけが異常に目に焼きついて離れない。この映画の素晴らしさを巧く説明出来る人がいたら教えて欲しい。なんでこんなに退…

クジラ島の少女(Whale Rider)

マオリ族の伝説を描いたネイチャー色の強い作品。公開当時なかなかの評判で気になっていたのを今更観たがまあ普通だった。押し付けがましい感動色がないのがいいが逆に引っかかりもないので特に人に薦めたりはしないと思う。しかしなー、この少女は悲観的だ…

「百鬼夜行抄」文庫版9巻/今市子

巻数を追うごとに作者の脳内完結が激しくなって読者に対する分かりやすさという親切心がなくなったような気がするのは私の読解力がただ低いせいなのか。漫画でここまでよく分からんというのは岡野玲子の陰陽師(の最後の方)以来かもしれない。短編のわりに…