猫が星見た

映画の感想

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

殺しの烙印

もはや理解不能なストーリー展開とひたすら懲りまくったスタイリッシュな映像でまさに清順美学が炸裂したカルト・ムービーの傑作。日活解雇の直接の原因になった作品としても知られる。2001年公開の「ピストルオペラ」は本作が基になっている。飯の炊け…

デカローグ 第8話「ある過去に関する物語」(Dekalog,Osiem)

全10話の中で最も地味な話かもしれないけど私は結構好き。 これを観ると人生は道を誤っても生きていかなければならない、道を誤まっても挽回のチャンスはくる、そして人生はそれほど酷いものでもない、と思う。 (DVDで)

鰯雲

あんまり面白いと思えない。農村を描いているだけあって華がない若々しさがない。 不倫を描いたり農村の崩壊を描いたり、なんとなく寂しげで社会派的なのも……モニョモニョ。 ただとても丁寧な映画なので星3つ。 (2008年5月22日・BS2で)

女性に関する十二章

市川昆作品。 これは結構おもしろい。女性が元気で男性も元気で溌剌と悩んでる所がすごく羨ましい。こちらの気分も晴れる思い。上原謙の西洋かぶれ偽紳士も最高。 昔のアメリカ映画みたいなテンポで非常にお洒落。思わぬひろいものをした。 (2008年5月26日…

デカローグ 第7話「ある告白に関する物語」(Dekalog,Siedem)

7話目は“あなたは盗んではならない”。マイカは母親に娘を盗まれ、時を経て母親から盗み返す……しかしそれはうまくいかない。 この物語はマイカが1人汽車に乗るところで終わっているのだが、この結末はどういうことだろうと娘世代の私なぞは思ってしまう。結…

デカローグ 第5話「ある殺人に関する物語」(Dekalog,Piec)

これは私が観た中でもっとも死をリアルに描いている作品だと思います。 どんなエグイ映画よりショッキングな「死」がここにはある。 ただなんとなくの憎悪によって殺人を犯した主人公が死刑を受ける。その準備の淡々としたこと、あっけなさ、それに反しての…

デカローグ 第6話「ある愛に関する物語」(Dekalog,Szesc)

評論家的には映画版よりこのテレビ版のラストの方が評価が高いようですが、私は断然映画版の終わり方が好きです。というか映画版のラストシーンは最高でしょう!と言いたい。 この作品を観ていつもじっくり観てしまう所は、青年トメクが熟女のマグダに愛を告…

デカローグ 第3話「あるクリスマス・イヴに関する物語」(Dekalog,Tazy)

全10話の中で一番印象の薄い話かもしれない。 デカローグの中では特に何も語れない話。デカローグ DVD-BOX (5枚組)出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2005/07/23メディア: DVD クリック: 19回この商品を含むブログ (39件) を見る

デカローグ 第4話「ある父と娘に関する物語」(Dekalog,Cztery)

娘のアンカの美しさが際立つ一話。血の繋がらない父と娘の近親相姦話で、微妙ないやらしさと純粋さを保っている秀作。 北欧の人はイタリアとかフランスに比べてフェロモンが少ない人種なのか、簡単に抱き合ったりキスしたりしないのがウムウムと頷ける。ラス…

羅生門

芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せに…

殯の森

奈良県北部の山間地に建つグループホーム。そこでは、軽度の認知症を患った老人たちが介護スタッフと共同生活を送っている。その老人のひとり、しげきは、33年前に亡くした妻との思い出を胸に秘めたまま静かな日々を過ごしていた。そんな中、グループホーム…

マリー・アントワネットの首飾り(The Affair of the Necklace)

かつて王位にもついていた名門ヴァロア家は、政敵の罠によって消滅してしまう。わずか9歳にして、ジャンヌは頼る者のない孤児となる。すべてを失った彼女は再び名誉を取り戻し、ヴァロア家を再興することだけを人生の目的として生きていく。15年後、美しく…