猫が星見た

映画の感想

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR)

本国ドイツで大ヒットとなったアクション・ロード・ムービー。余命わずかと宣告され、たまたま末期病棟の同室に入院させられたマーチンとルディ。二人は死ぬ前に海を見るために病棟を抜け出し、ベンツを盗んで最後の冒険へと出発した。その車がギャングのもので、中に大金が積まれていたことも知らずに……。道中、残り少ない命の彼らに怖いものなどなく、犯罪を繰り返し、ギャングのみならず、警察からも追われる身になるのだが……。

いくつになってもこういう映画が好きである。
逃げることは普段なら恐ろしいことだけれども、やけくそな逃亡は大好きである。え〜い、ままよ!の逃亡は誰もが憧れる。
何もすべき責任がない、何も残さなくていい、お金なんて貯めなくていい、全て心配しなくていい、人生において最高の幸せとはそういうもんだろうと私は思う。
死の宣告がどーのという映画は腐るほどあるのだが、それでも永遠に題材として取り上げるのは、死ぬとわかっていたら私達は全ての重圧から完全に開放されるからだと思う。
この映画のラストシーンは素晴らしい。
(2009年9月)