猫が星見た

映画の感想

エグザイル/絆(EXILED)

香港の鬼才ジョニー・トー監督が「ザ・ミッション 非情の掟」の主要キャストを再結集し、熱き男たちの絆とロマンをスタイリッシュに描き出したノワール・ムービー。返還目前のマカオを舞台に、それぞれの使命を帯びて対立する裏社会の男たちが辿る予測不能の運命を、ユーモアを織り交ぜつつ往年のマカロニ・ウエスタンを彷彿させるケレンたっぷりのカメラワークで綴ってゆく。
 中国返還間近のマカオ。乳飲み子を抱えた妻が夫の帰りを待つとある家。この家の主ウーは、かつて香港マフィアのボス、フェイの命を狙ったために逃亡の身となった男。そんなウーの家に現われた4人の男たち。2人はフェイの命令でウーを始末するために、そしてもう一方の2人はウーを守るため。そこへ、ついにウーが姿を現わし、ほどなく三すくみの銃撃戦が始まるが…。


ン・ジャンユーってこんなかっこよかったっけ……と思う作品。男前なのは知ってたけど、微妙なイキリ感がこんなにかっこいいとは。他の俳優が大人しめの演技なだけに、ジャンユーのちょっと古臭い感じの演技が光る。
それで相変わらず、サイモン・ヤムが気持ち悪いんですけど……。この人たとえいい役やってもなんか裏ありそうな笑顔。常に黒光りしてるし。しかも今回かなり情けない役。
「ザ・ミッション」がクールな映画とすれば、こっちはちょっと笑いを盛り込んでいるのかな?砂漠での迷走とか、80年代(?)アメリカンムービー的で好きな人には堪らない。2006年にしてこの“時代”感が出せるのはジョニー・トーくらいなんじゃないでしょうか。
私は女ですけど、この男達の馬鹿さ加減は嫌いじゃない。
(2008年2月13日・映画館で)