猫が星見た

映画の感想

それでもボクはやってない

フリーターの金子徹平は、会社の面接に向かうため通勤ラッシュの電車に乗っていた。そして、乗換えの駅でホームに降り立った彼は女子中学生から痴漢行為を問いただされる。そのまま駅員によって駅事務所へ連れて行かれた徹平は、やがて警察へと引き渡される。警察署、そして検察庁での取り調べでも徹平は一貫して“何もやっていない”と訴え続けるが、そんな主張をまともに聞いてくれる者はいなかった。そして、徹平は具体的な証拠もないまま、ついに起訴され、法廷で全面的に争うことになるのだが…。

どの映画雑誌でも去年の邦画トップ1か2らへんでした。
地味ですが面白いです。淡々と物事が進んでいきますが150分全く飽きない。周防色というのが私には分からないのですが、これが監督の力ということでしょうか。俳優も淡々と地味〜に演技し、もたいさんも役所さんも小日向さんも皆が皆個性というものを消して、それがまたいい具合に作品を纏めています。最近とかくキャラだけの力技で映画を作っている邦画の中では異色で出色です。
それでもなぜ点数が低いのかといいますと、ザ・プラクティスアメリカの法廷ドラマ)をよく観ていた私としては、そりゃ面白いけどなんら目新しくない、わけです。45分ドラマのプラクティスの方がどれだけドラマティックだったろうか、とふと思ってしまうわけです。そしてこの映画はよく考えると片手落ちですね。どう観ても検察側・裁判官が悪、しまいには被害者まで悪いように思えてしまう。これはよろしくないです。そしてこの映画には熱狂的なファンがつきそうにもありません。なんというか熱く語りたいような映画ではないのです。
(2008年3月12日・フジテレビで)

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

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