猫が星見た

映画の感想

女帝[エンペラー](夜宴)

五代十国時代の中国。皇帝の実弟リーは、その兄を殺し、王位を奪う。また彼は、甥である皇太子ウールアンの命をも狙っていた。一方、夫の先帝を殺された王妃ワンは、その復讐と、義理の息子でありながら秘かに想いを寄せているウールアンを守るため、リーとの結婚に同意する。そしてウールアンは、父の仇を討つ決意を固めるのだった。こうして彼らはそれぞれに想いを秘めながら、来たるべき時を待ちわびるが…。

なんという退屈な映画!!

美術だけが豪華で内面が描かれてない映画が中国でははやってるんでしょうか。ここ数年でそうじゃない映画って「呉清源 極みの棋譜」くらいしか思い出せません。うーむ、嘆かわしい。
美術豪華なのはいいんですけど、エンターテイメントに徹するか、アートに徹するかどっちかにしてほしいものです。これはどっちでもない。色味は綺麗だけどだから何?という程度のもんです。最近この手の映画で気になるのが、色鮮やかにしとけば美しいだろ、というゴリ押し。目にはくっきりはっきり映って分かりやすいですけど、そうじゃなくて美しい映画、美しい映像って一杯あるんですがね……。なんかね、逆に芋くさいセンスだな、と思うわけです。あとワイヤーアクション+スローモーションもいい加減にしてほしいんですが。鎧が飛んだりお面が飛んだり、剣が肉体を刺したり、別にそんなじっくり何度も見たくないんですけど……。生身の肉体の動きが観たい今日この頃です。少林寺が懐かしいです。

私は前々からチャン・ツィイーの役柄の幅狭さを嘆いているのですが、ほんっとにこんな役しかやりませんね。飽きました。そしてダニエル・ウーは「ワンナイト・イン・モンコック」でマシになったと思ったのに、またもや木偶の坊。悲しい限りです。
(2008年7月19日・WOWOWで)