猫が星見た

映画の感想

恋の罪

 「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の鬼才・園子温監督が、90年代にマスコミを賑わせた“東電OL殺人事件”にインスパイアされて撮り上げた衝撃の問題作。表と裏の顔を持つ3人の女性を主人公に、一つの殺人事件を巡って浮かび上がってくる人間の心の闇を、激しい官能描写と共に圧倒的な筆致で描き出していく。出演は「七瀬ふたたび」の水野美紀、「閉じる日」の冨樫真、「冷たい熱帯魚」の神楽坂恵
 あるどしゃぶりの雨の日、ラブホテル街の木造アパートで無惨に殺された女性の死体が発見される。事件の捜査に当たるのは、幸せな家庭がありながら不倫にはしる女刑事、吉田和子。捜査を進める中でやがて、大学のエリート助教授・美津子と人気作家の貞淑な妻・いずみの驚くべき秘密へと近づいていくのだが…。

愛のむきだし」を友人に勧められてびっくり、それ以来、私の中で一番熱い日本人監督は園さんである。
開始早々、水野美紀ヘアヌードとグロい死体でびっくりするわけだが、その後も延々とエログロエログロ。映画館に行ったその日は、無性にホラーかエグい話が観たかったので、私にはちょうどよかったのだが、ハッピーな気分の日は絶対観たくない。意外とカップルが多かったのだが、カップルでは絶対に観ない方がいい;
さて、内容だが、半分あたりまではすごく面白い。私は根本的にサスペンスが好きだし、人間の精神の闇みたいなのを、独特のでたらめで自由な演出で描いているのも、凄く好み。
ただ、ストーリーの展結部分がかなり酷かった。ありきたりで、退屈。富樫真や神楽坂恵が変な詩を叫ぶところなんて、劣化寺山修司みたいでC級すぎた。
また、どのレビューでも書かれているが、水野美紀のエピソードは非常に無駄。一応主役なのにまったく活きていなかった。
途中まですごく面白かっただけに、残念すぎる作品。