猫が星見た

映画の感想

風立ちぬ

少年時代に夢の中で憧れのカプローニ伯爵と出会い、飛行機の設計士になることを決意した堀越二郎。1923年、東京帝国大学に進学するため上京した彼は、列車の中で里見菜穂子と出会い心惹かれる。そしてその移動中に関東大震災に遭遇、混乱の中で菜穂子とお供のお絹を助ける。卒業後、晴れて三菱内燃機株式会社への入社を果たした二郎は、念願の設計士としての道を歩み始める。しかし視察したドイツのユンカース社で技術力の差を痛感し、設計主務者に選ばれた七試艦上戦闘機のテスト飛行も失敗に終わる。1933年夏、失意の中で軽井沢を訪れた二郎は、そこで菜穂子と運命の再会を果たす。

堀越二郎にも堀辰雄にも知識なしでみました。暴言あり。

中盤までは「仕事モノ」としてまあまあ楽しく見ていて、戦争とのからみはどうなるんだろうなどと思いながら見ていましたが、思いも寄らず恋愛が中心になってきてその辺りから辛気くさくて辛気くさくてあ゛〜きもい、となりました。ジブリに色恋扱わせるとなんでキモくなるんでしょうか。奈穂子が嘘付いて去っていくラストとか80年代の少女漫画でもせんわーという感じでした。私は病気恋愛ものが嫌いですが、その理由は、このジャンルは病気の苦しみに伴う汚い部分や惨めな部分を描かないからです。人が生きたり死んだりするのはそんな夢みたいなことじゃないわっと腹立ってきます。
恋愛がでばってきたせいで、結果仕事モノとしてもイマイチ消化不良で終わりました。堀越二郎が淡々としすぎて、本当にそこまで飛行機に愛があるの?しかも戦争兵器だし?優しい性格なのに戦闘機つくって嬉しいの?という感じでした。
懐古主義と言われようと、紅の豚までの駿は本当に面白かったです。夢があって、勇気があって、悪者がいて、正義があって、何度も見たいと思えたし、何度見ても展開がわかっていようとワクワクしたので、そんな作品を3つも4つも作ったなんて駿は本当にすごい。あのすごさを知ってしまっているから、普通の出来だとしてもがっかりしてしまうんだなあ。多分、この映画も丁寧につくられているアニメだと思うんですよ、きっと。でも私にとっては人間が活きていない、魅力ない、辛気くさい映画でした。