猫が星見た

映画の感想

情婦(WITNESS FOR THE PROSECUTION)

アガサ・クリスティが自身の短編小説を基に戯曲化した『検察側の証人』の映画化。ミステリー映画というジャンルの中で、間違いなく最高峰に位置する傑作である。金持ちの未亡人を殺した容疑をかけられたレナード(パワー)は、老齢ながらロンドンきっての敏腕弁護士ロバーツ(ロートン)に弁護を依頼。だが“検察側の証人”として法廷に立ったレナードの妻クリスティーネ(ディートリッヒ)から、思いもかけない証言が発せられた……。ミステリーの解説ほど馬鹿げたものはないので、これ以上ストーリーは語れない。ストーリーだけでも充分面白い作品だが、それだけでは名作には成りえない。ロートン、ディートリッヒ、パワーの芸達者ぶりと、ワイルダーの語り口の上手さがあってこそ、ここまでの完成度を誇る映画となったのだ。それは、82年にTVムービーとしてリメイクされた「検察側の証人」が物語以上の魅力を持ち得なかった事でも明らかであろう。


これってそんなに名作なのかしら……という感じ。
どんでん返しがあるだろうことは予想できるし、かつあの程度のどんでん返しはそれほど驚けない。全体的にのめりこめなかったから驚けなかったんだろうかー。

デッィートリッヒというよりは、弁護士のロバーツのキュートさと、看護婦とのやかましい遣り取りの方が私には興味深かった。サスペンスとしてはそれほど好きじゃないかなあ。
(2008年12月21日・DVDで)

情婦 [DVD]

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