猫が星見た

映画の感想

金の国 水の国

岩本ナオ原作漫画の映画化。隣り合う2つの国アルハミトとバイカリは長年戦争を繰り返し対立している。アルハミトは資源に乏しいが商業都市として発達し、バイカリは水が豊かだが貧しい。そんな中、両国の友好のために互いの国から嫁婿を送り婚姻が結ばれるが・・・

原作未読です。

つくづく最近の映画(漫画)って丸いですよね。無難というかなんというか、印象に残る部分がなくてうわべだけのおキレイな感じで私は全然感動しません。この作品は世間では評価いいみたいなので、私はもう映画老害となってしまっている自覚はあるのですが、いやいやこれはさすがに全然魅力ないですよと声を大にしていいたいです。

2時間ちゃんとあるのに、登場人物の心の動きとか、展開とかはすごくあっさり感じて、あれ?でも2時間もあるんだよな〜全然深さが物足りないんですけど、と思ってしまいました。主人公2人の恋愛模様もそうですし、左大臣がいきなりやる気出すところとか王様の改心とかね、絵本のように単純なんですよ。絵本の方が深い気もするんで、これは映画の作り手の能力の低さだと断言できます。創作にはイマジネーションが大事と思われがちで、近年の邦画はそれを重視しているような気がしますけど、それより職人的な部分の方が重要だと私は思いますね。緻密な考えの土台の上にイマジネーションがあることで素晴らしい作品ができると思っています。

観る側の勝手な願いですけど、もっと本気で映画を作ってほしい。ただ、この映画が高評価ということは、観る側の能力も低下の一途をたどっていますけど。