失業中の夫と15歳の一人娘パウラを養うため、せわしなく働くライムンダ。明るくたくましい彼女にも、10代の頃、確執のあった母がそのまま父と一緒に火事で亡くなってしまうという苦い過去があった。そんなある日、夫がパウラに関係を迫り、抵抗したパウラに刺し殺されてしまう。ライムンダは愛娘を守りたい一心で、夫の死体の処理に奔走、事件の隠蔽を図る。そのさなか、今度は故郷ラ・マンチャに住む伯母の急死の報せが。ライムンダの姉ソーレが葬儀へ駆けつけたところ、彼女はそこで死んだはずの母イレネの姿を見掛けたという奇妙な噂を耳にするのだったが…。
うわっ。これ好きだ。この映画好きだ。
淡々とした中にじわじわと語りかけてくるものがある。あと、寓話的なのもめちゃくちゃ好みだ。
驚いたのが、ペネロペ・クルスの素晴らしさ。久しく観てないと思ったら、すごく味のある活き活きとした生身の女性となっていた。ハリウッドのバカ女とは全く違う。トム・クルーズなんかと付き合ってた彼女の方が嘘だったんだなあ。
美しいけど気取っていない。彼女の魅力はまさしくライムンダの魅力となって、美人女優のペネロペ・クルスということは全く感じずに、スペインの片田舎のしゃかりき主婦・ライムンダというめちゃくちゃリアルな人間として感じられた。
もうそれだけで最高の映画なんだけど、衣装、美術の鮮やかさがこの映画をより盛り上げる。スペイン、お洒落だよ。エンドロールとか最高だよ。
そしてライムンダの歌!ちょっと唐突だけど、ソウルフル!!なんでこういう片田舎の歌って、もの哀しいけど強さを感じるんだろう。人間の強さを強烈に感じる。
ああ〜久々に生きることは素晴らしいと思えた映画。
(2009年4月22日)
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