猫が星見た

映画の感想

冬冬(トントン)の夏休み(冬冬的假期)

台北の小学校を卒業したトントンは妹のティンティンと二人、夏休みを田舎で開業医をしている祖父の家ですごす。母が入院し、父は看病でつきっきり(少し「となりのトトロ」にも似た設定だ)。年若の叔父に付き添われ、台湾西北部のトンローまでいくはずが、恋人と同行の叔父は有頂天で、彼女の実家にある駅で途中下車。二人は寂しく目的地へ。しかし、駅前で遊ぶ子供たちとはすぐにうちとけ、車で追いついた叔父と、病院も兼ねた祖父の邸へ……。素晴らしい休暇がここに始まるのである。原作、脚本の朱天文の幼年時代に基づく、ただ郷愁を誘うとか、懐かしさに溢れるとだけ書くのではすまされぬ(現代の話で、それは本作が驚くべき普遍性“映画言語”を持つゆえの感想だ)秀作。愛すべき癒しの映画。想い出は重なり、鼻腔の奥がツーンとしてくる。

台湾映画はやっぱりいい。いい、としか表現できない。
大陸(中国)映画なら重いとか深い、とか。香港映画なら熱いとか馬鹿、とかなんですけど、台湾映画に対しては、いい、というのみ。
私が小さいころに見た風景よりは古いんだけど、それでも心底懐かしい。
外にいる子と適当に遊んで、日が暮れるまで遊んでそれだけでよかった日々。大人に怒られたり、子供同士掟があったりして。
なぜ今はこんなに神経質な世の中なんでしょうね!!外部に怯えるだけの生活。もーやめてくれいと言いたくなりました。
大人になっていいことなんてねえなあと思ってしまいました。
最早こんな時代には永遠に戻れないんでしょうけど、だったらこの映画を永遠に残してほしい。そんな映画です。

冬冬の夏休み [DVD]

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