猫が星見た

映画の感想

魍魎の匣

“憑物落とし”の京極堂こと中禅寺秋彦が奇怪な難事件に挑む京極夏彦原作“京極堂シリーズ”の映画化第2弾。主演は前作「姑獲鳥の夏」に引き続き堤真一。監督は「狗神」「バウンス ko GALS」の原田眞人。一見バラバラな不可解な3つの事件に隠された“匣(ハコ)”の謎とは。

あまりヒットしていないようですな。でもまあまあ面白かったです。

第一作の「姑獲鳥の夏」のあまりの酷さからすると、うまく化けたな〜という感じがしました。なんたって関口役を変えたのが大変よろしい。椎名桔平が特にハマリ役という気はしないですが、永瀬正敏がいないことで確実にバランス・テンポのよい映画に生まれ変わりました。原作の魅力の一つである人物の造形も、まあ原作とは違う形で巧く出てきてました。あまり陰気ではない京極堂、あまり陰気ではない関口、あまり陽気ではない榎木津、ではあるのですが、やっぱりキャラ立ちしてる映画はそれなりに面白いのです。
話も、原作とは全く違いますが、頑張ってまとめていた気がします。原作を読んでいない人があの内容を分かったのかは甚だ謎ですが。
一番よかったのは美術。やや安っぽいところもありましたが、それが逆にミステリ映画っぽくて非常に美しかったです。
今一番旬の阿部ちゃんが目立っていてその他キャストも魅力ですが、クドカンの久保はないだろうと。犯人は一番魅力のある人でないと、と私は思うのです。
(梅田ブルグ7で・2008年1月29日)