奈良県北部の山間地に建つグループホーム。そこでは、軽度の認知症を患った老人たちが介護スタッフと共同生活を送っている。その老人のひとり、しげきは、33年前に亡くした妻との思い出を胸に秘めたまま静かな日々を過ごしていた。そんな中、グループホームに介護福祉士の真千子が新しく赴任する。彼女もまた、我が子を幼くして亡くすという暗く悲しい過去を背負っていた。はじめは思うように打ち解けず、ぎくしゃくしていたしげきと真千子。次第に通じ合っていった2人は、ある日しげきの妻の墓参りへ出掛けることに。そして彼らは、しげきの妻が眠る“殯の森”の中を彷徨っていく…。
画面が揺れやがった……!
私は始めて河瀬監督の作品を観たのだが、観る前の予想として
・多分是枝裕和監督作品みたいなの
・1時間くらいしたらじっとしているのが辛くなるだろう
・カメラが揺れる気がする
だったのだが、全部当たった。
基本的に画面が揺れる映画は嫌いな私である。くらくらしてきて集中できないし、大体そういう映画はストーリーがないので。それに素人臭さみたいなのが出てきてあまり好みでない。同じくカンヌで賞を獲った「ロゼッタ」という酔いまくりのクソ映画を思い出した。基本的にカンヌはよく分からない。
カンヌ獲るほどの映画だとは思わなかったが、何気ないシーンで間を保てるのは流石だなあと思った。穴掘ったり、走ったり、ゼイゼイ言うだけのシーンをずっと観ていられる、というかそういうシーンの方が断然いいと思った。そういうシーンの後に、唐突に「私生きてる?」とか「土に返ろう」(だったっけ?)とかおセンチなことを言い出すのが白けた。必死になったり呆然としたり、ただそれだけでいいのに。特別なセリフはいらんと思った。
一番素晴らしかったのは川のシーンの真千子さん。これは久々の名シーン。演技というものを超えていた気がする。
上映後に河瀬監督と主演のうださんが舞台挨拶をされました。残念ながらあんまり心に残るような言葉はありまへんでした。
あと、結構シリアスな場面で携帯の音が2回鳴ったんですが(スクリーンの中の話)、あれってスタッフが鳴らしてしまったんでしょうか。なんで撮り直さなかったんでしょうか。それとも空耳でしょうか。すごく気になってます。
(2008年5月10日・映画館で)
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