猫が星見た

映画の感想

ホワイト・ストーム(掃毒2天地對決)

香港最大組織正興の掟は薬を扱わないこと。経営するクラブに出入りしていた男が薬を扱っていたことで、地蔵は義兄弟のティンによって指を切り落とされ組織から追放、その後、麻薬売買の組織のボスとなる。一方、ティンは組織から離れ、株売買によって富をなし実業家となり、麻薬撲滅運動に力を注ぐ・・・。

香港映画の荒々しさがいい方向にも悪い方向にも出た映画。

いい方向は、ラスト15分のカーチェイス。狭い道路で車を動かしたら世界一の香港映画。地下鉄の乗り場まで行くなんてこんなの撮れませんよ。イマジネーションが素晴らしくて血潮がみなぎりました。

悪い方向は、とにかく人が死にすぎなところ。みんな簡単に死んでしまうので、悲しみとか切なさとかは全く感じられません。あと、話も雑ですね。香港映画はある時から麻薬の話がすごく多くなりましたけど、その全部がエンタメというよりは麻薬撲滅の啓蒙のために作っているような感じで、とてもじゃないけど映画とは言えない。

全然関係ないですけど、アンディ・ラウとルイス・クーが2人並ぶと、自然とアンディの方に格上の兄貴風が吹いて、ルイス・クーはちょっと小物感が出るのが不思議でおもしろいと思いました。ストーリー上もそういう設定ですけど、ちゃんと負けている演技をしているルイス・クーは巧いな、と。

あと、遥か昔にCDを買ったジュン・コンが出ているのを見つけられてめちゃくちゃ嬉しかったです。よくよく思い返したら香港映画って20年前から俳優のメンツがあんまり変わっていないんですよね(日本で上映されているのが往年の俳優が出ているものだけなのかもしれないですが)。きっとその頃にハマっていた人しか、今香港映画観ていないのかもしれないですね。ファンとしては寂しいです。

ちなみに、原題は「2」となっており、前作は「レクイエム 最後の銃弾」という邦題ですが、内容のつながりは全くないので、この作品単体で観ることができます。そんなに面白くないですが笑、アマプラで観れるのでよろしければどうぞ。