ある日、心理学者クリス・ケルヴィンのもとに、惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーション“プロメテウス”の調査依頼が舞い込んだ。ステーション内で不思議な現象が頻発し、地球との交信も途絶えてしまったというのだ。さっそくプロメテウスに向かったクリスは、そこで友人ジバリアンの死体を発見する。ステーション内には2人の科学者スノーとゴードンが生存するのみで、他の者は皆ジバリアン同様自らその命を絶ってしまっていた。生き残った2人に事情を聞くクリスだったが、それはまるで要領を得ない。しかし、やがてクリス自身にもある異変が起きるのだった。
へえー、ソラリスって99分で作れたんだ……
とびっくり。タルコフスキー版のたるさを思うと、このあっさりくっきりぱっきり感はなんなんだろう。ジョージ・クルーニーだからだろうか、非常にアメリカンな楽天的な感じがする。繊細さは全くない。
タルコフスキー版のあの乾いた感じというか、色あせた感じというか、よそよそしい冷たい感じが全くない。それが没個性的だが凄く見やすくもあるので、親しみやすい「ソラリス」としては存在価値があるかもしれない。まあ絶対タルコフスキー版の方がすごいって皆見る前から分かってるから、なんとなく同情の目で見てしまうのかも。
タルコフスキー版が大きな哲学的テーマを内包しているのに反して、こっちは単なる愛情物語でその辺もある意味分かりやすくていいんじゃないかなと思いました。まあタルコフスキー嫌いの人も結構いるので、この映画をどう観るかは好みの問題でしょう。
(WOWOWで・2008年3月19日)
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