猫が星見た

映画の感想

めぐり逢わせのお弁当(Dabba)

自分に無関心の夫になんとか振り向いてもらおうとお弁当作りに勤しむ若妻。しかしその弁当は弁当配達人の手違いで別の男性、中年で早期退職間近の会計士の男へと届いていた。

 

へ〜こんなインド映画もあるんだ、という印象です。

穏やかに、ただただ時の流れやアナログな手紙での交流に身をまかせる映画です。

私のインド人の印象は、無表情で何考えているかわからない、という感じだったのですが、この映画も最初そういうイメージで、でも、中盤から終盤にかけて、中年会計士男がだんだん人間味を取り戻すと同時に、見ている私もだんだんインドに親しみを覚えるというか、インド社会って日本社会に似てるかもな、と思ってきました。

男尊女卑で、男性が女性を押さえつけて不幸にしている、でも男性はそんなことにちっとも気づいていない鈍感さで、真面目で冷たい社会なところが、すごくリアルだなと思いました。

会計士が自分の老いを感じてうじうじ女々しいのもリアルでいやでした(笑)。

なかなかの佳作だと思います。ただ、作品として好きかというとそれほど私は好きではありません。