日本映画
100年前の日本。そこには、精霊でも幽霊でも物の怪でもない妖しき生き物“蟲”がいた。蟲は人間に取り憑き、不可解な自然現象を引き起こす。蟲の謎を紐解き、蟲に取り憑かれた人々を癒す能力を持つ者は“蟲師”と呼ばれた。自ら蟲を引き寄せる特異体質のギンコも…
チェロ奏者の大悟は、所属していた楽団の突然の解散を機にチェロで食べていく道を諦め、妻を伴い、故郷の山形へ帰ることに。さっそく職探しを始めた大悟は、“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接へと向かう。しかし旅行代理店だと思ったその会社の仕事は…
1960年代、オトンに愛想を尽かしたオカンは幼いボクを連れ、小倉から筑豊の実家に戻ると、妹の小料理屋を手伝いながら女手一つでボクを育てた。1970年代、15歳となったボクは大分の美術高校に入学、オカンを小さな町に残し下宿生活を始めた。1980年代、ボク…
泉水と春は、優しい父と今は亡き美しい母の愛情に包まれて育った仲の良い兄弟。兄の泉水は遺伝子の研究をする大学院生。一方、街中で落書き消しの仕事をしている弟の春。彼らが暮らす仙台市内は、頻発する連続放火事件に揺れていた。あるとき春は、放火現場…
しみじみ、という言葉が似合う映画。 観ていると現代の私の身にもつまされる部分があってちょっと辛いんだけど、ラストがなんともいえない。 世の中、何者にもなれない人ばかりなのだけど、心の芯から生まれる優しさを忘れなければ人間の存在意味ってのもあ…
春まだ浅い南の小さな海辺の町。空港に一機のプロペラ機が着陸した。小さなバッグを手にタラップを降りてきためがねの女性は、迎えの人に深々と一礼する。同じ飛行機から降りてきたもう一人の女性、タエコ。大きなトランクを引きずりながら、地図を片手に不…
山と田んぼが広がる木村町。中学2年の右田そよは、小中学生合わせても全校生徒たった6人という小さな分校に通っていた。そんなある日、東京から一人の男子生徒が転校してくる。彼の名は大沢広海。そよにとっては初めての同級生。都会の匂いをまとったかっ…
とある時代のとある国。戦乱が続き、荒廃が進む世を憂う武将・醍醐景光は、国を治める力を手に入れるため、生まれてくる我が子の体48箇所を48体の魔物に差し出した。醜い姿で生まれ、そのまま捨てられた赤ん坊・百鬼丸は医師・寿海に拾われる。寿海は百鬼丸…
年をとるのも悪くない それは“生き方”を問いかける 未だ観たことのない音楽ドキュメンタリー映画 元々はドキュメンタリー映画が苦手なんですが、あの中江裕司監督がドキュメンタリー?ってことで試写会観てきました。出演陣は私よりちょっと上の世代が馴染み…
時は元禄15年、徳川5代将軍綱吉の時代。生類憐れみの令が幅を利かせた泰平の世。巷では、赤穂浪士が切腹させられた浅野内匠頭の仇を討つのかどうかが大きな関心事となっていた。そんな中、父の仇を討つため、信州松本から江戸に出てきた若者、青木宗左衛門(…
鬼才・押井守が士郎正宗の同名コミックを映画化し、日本のみならず全米でも記録的なヒットを飛ばしたSFアニメーション。作画の素晴らしさやデジタルを駆使した画像の美しさはもちろん、押井監督独特のシュールかつ重層的な作品世界が秀逸。また監督自身がこ…
おもしろいよなおもしろくないよな。ほのぼののよな暗いよな。 年老いた母親を引き取るか否か、財産分与はどうなるのか等々、割り切った世代を描いている。「鰯雲」でも思ったけど、成瀬監督はメロドラマというより時代の変化を描くの好きだよなあ……。冷え切…
黒澤明・木下恵介・市川崑・小林正樹によって結成された「四騎の会」の第1回作品として共同執筆されながらもお蔵入りになっていた山本周五郎原作の時代劇を、騎士の一人である市川崑がメガフォンを取り、「市川監督の時代劇に出演したい」と熱望していた役…
大阪の中学2年生、田村裕は一学期を終え、夏休みを楽しみに帰宅。ところが、玄関の前には“差し押さえ”のテープが貼られ、中に入れない状態となっていた。あまりに突然の出来事に、大学生の兄・研一、高校生の姉・幸子と共に茫然自失となる裕。すると、そこ…
徳川三代将軍家光の時代、並はずれた大男・万源九郎が手にしている大剣は、謎の地球外金属オリハルコンで作られた“三種の神器”の1つ“大帝の剣”。3つの神器全てを手にした者は世界をも征する強大な力を持つと言われている。万源九郎は亡き祖父の命により、…
マイナーなグラビアアイドル、如月ミキが焼身自殺を遂げてから1年が過ぎた。彼女のファンサイトでは一周忌のオフ会を開催することに。集まったのは、サイト管理人の家元とサイトの常連、オダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘という5人の男たち。初めて…
ストーリーはあんまりない。丸山明宏が出ている。 あの歌を聴くだけで呪われそう。 内容が非常に理屈っぽく説教臭いので何が街へ出ようやねん、と思う。この映画が気持ち悪いと感じた私は幸せなのかもしれない。そのくらいこの映画はとっても僻みっぽい。学…
1930年代、朝日新聞記者の尾崎秀実は赴任先の上海でひとりの男リヒャルト・ゾルゲと出会う。ナチス党員のジャーナリスト、ゾルゲの正体はソ連の諜報員。国土の両側をナチスドイツと日本軍の脅威にさらされていたソ連は、両国の動向に神経を尖らせていた。そ…
吉祥寺に暮らす天才漫画家、麻子。締め切りに追われる忙しい日々の中、ある日突然、13年も連れ添ってきた最愛の猫サバが息を引き取る。悲しみのあまり、仕事が手につかなくなる麻子。そんなある日、彼女はペットショップでアメリカン・ショートヘアの子猫と…
北九州の港。中国からの密航者を手引きしていた健次は、船内で父親が死んでしまった少年アチュンを自分の家に連れ帰る。そこには、かつて幼なじみの安男から世話を託された安男の妹で知的障害者のユリも一緒に暮らしていた。健次は、家族のような3人での生…
ザ・角川映画です。私勘違いしていたようで、この映画は松田優作がバリバリ活躍する映画だと思っておりましたが、薬師丸ひろこがメインのかわゆいアイドル映画であります。曲りなりとも“探偵”とついているのだからその点楽しませて頂きたかったが全くその方…
コミカルホラーというジャンルでいいのでしょうか。 現代社会の息苦しさを延々描いているが、飄々とした登場人物のせいかそこまでシリアスには感じない。超前向きな川口浩を見ているとちょっとおかしみさえ感じる。それが狂ってるってことかもしれないが。 …
小林旭がかっちょいい。吉川晃司もしくはチョウ・ユンファを連想させる顔とスタイルだ。 この時代の俳優はぴしっとしつつ男くさい。最近じゃあとんと見かけない。話の内容はそう変わったものじゃない。 ただ飲み屋での小林旭演じる尾形と顔色の悪い殺し屋と…
陶芸家である大学教授の父が日本の大学で教えることになり、日本の学校に転校することになった高校生ミン。自転車に乗って夏の京都を走り回っていた彼は、偶然見かけた女性、七重に一目惚れする。彼女はミンが転校した高校の生徒だった。やがて2人は言葉と…
陰気な原節子が観れる。 しかし何の結論もなく紙風船を打ち合いながらお茶を濁して終わる……これが夫婦生活ってものかもしれまへんな。(2008年6月・日本映画専門チャンネルで)
K県庁のキャリア公務員、野村聡。プライドが高く、組織の中でいかに出世するかが人生の目的のすべてという極端な上昇志向の持ち主。ある時彼は、県政の目玉プログラムである民間企業との人事交流研修のメンバーに選出される。ところが、派遣されたのは田舎…
男なんかみんな死んでしまえ!と言う河内カルメン最高! それでもいい男がいるかもしれへん!と言って東京行く河内カルメン最高! 日々鬱憤がたまって鬱々と暮らしている現代人は清順映画を観るといい! (2008年6月5日・WOWOWで)河内カルメン [DVD]出版社/…
あのー……最後まで弟の方が小林旭だと思ってました……。高橋英樹だったんですねぇ……弟のキャラクターが魅力的で、なんて小林旭は陽のオーラが出てるんだ!カッコイイ!とワクワクしていたのですが、それが高橋英樹だと判明した時、なんか映画の価値が下がった…
もはや理解不能なストーリー展開とひたすら懲りまくったスタイリッシュな映像でまさに清順美学が炸裂したカルト・ムービーの傑作。日活解雇の直接の原因になった作品としても知られる。2001年公開の「ピストルオペラ」は本作が基になっている。飯の炊け…
あんまり面白いと思えない。農村を描いているだけあって華がない若々しさがない。 不倫を描いたり農村の崩壊を描いたり、なんとなく寂しげで社会派的なのも……モニョモニョ。 ただとても丁寧な映画なので星3つ。 (2008年5月22日・BS2で)