猫が星見た

映画の感想

日本映画

羅生門

芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せに…

殯の森

奈良県北部の山間地に建つグループホーム。そこでは、軽度の認知症を患った老人たちが介護スタッフと共同生活を送っている。その老人のひとり、しげきは、33年前に亡くした妻との思い出を胸に秘めたまま静かな日々を過ごしていた。そんな中、グループホーム…

サイレン FORBIDDEN SIREN

29年前、謎のサイレンの音と共に一夜にして全島民が消失するという未曾有の怪事件が起きた夜美島(やみじま)。事件は未解決のまま、いつしか闇に葬り去られた――。すっかり平穏を取り戻した現在の夜美島に、病弱な弟の転地療養のためフリーライターの父と共…

バッテリー

中学校入学を目前に控え、家族で岡山県へと引っ越してきた天才ピッチャー、原田巧。彼は、自分の才能に絶対的な自信を持ち、それゆえに他者を寄せ付けない孤独な一面を持っていた。家族も病弱な弟を大切にするあまり、巧との間に微妙な距離を置いてしまう。…

乱れ雲

成瀬巳喜男監督の遺作。 泣かせ巳喜男監督の作品の特徴といえばメロドラマであるが、私はメロドラマよりも市井の人々を描いた「めし」とか「稲妻」のファンなので、この作品は……である。よせたり引いたりの美しさは分かるが、どうしても“こいつらうっとおし…

稲妻

バスガイドとして働く清子には2人の姉と一人の兄がいた。しかし、4人とも父親が違った。ある日、長姉夫婦が清子に縁談話を持ちかけるが、清子には姉夫婦の意地汚い魂胆が見え透いてしまいとても話を進める気になれない……。 成瀬監督の作品でも私は「浮雲」…

半落ち

ある日、元捜査一課警部・梶聡一郎は最寄りの警察署に出頭してきた。そして、3日前に妻の啓子を自宅で絞殺したと告げる。半年前、若くしてアルツハイマー病を発症した啓子の看病のため刑事を辞職し、警察学校で後進を育成して広く敬愛されてきた梶。取り調…

それでもボクはやってない

フリーターの金子徹平は、会社の面接に向かうため通勤ラッシュの電車に乗っていた。そして、乗換えの駅でホームに降り立った彼は女子中学生から痴漢行為を問いただされる。そのまま駅員によって駅事務所へ連れて行かれた徹平は、やがて警察へと引き渡される…

チーム・バチスタの栄光

拡張型心筋症に対する手術で成功率60%といわれる高難度のバチスタ手術。東城大学病院では、天才外科医・桐生をリーダーとする7人体制の専門集団“チーム・バチスタ”を結成、26連勝という驚異的な成功を記録する。だが突如として、3例立て続けに術中死が発…

デスノート the last name

死神リュークが落とした“デスノート”を拾い、野放しになっている凶悪犯を次々と粛清していく天才大学生、夜神月。巷では犯罪者の連続不審死を救世主“キラ”の出現と噂し始める。一方、一連の“キラ事件”を捜査するためインターポールから送り込まれたもう一人…

デスノート 前編

名門・東応大学で法律を学ぶエリート大学生、夜神月。将来を嘱望される彼ではあったが、法による正義に限界を感じ、激しい無力感に襲われていた。そんな時、彼は黒い表紙に『DEATH NOTE』と書かれた一冊のノートを目にする。そこには、“このノートに名前を書…

魍魎の匣

“憑物落とし”の京極堂こと中禅寺秋彦が奇怪な難事件に挑む京極夏彦原作“京極堂シリーズ”の映画化第2弾。主演は前作「姑獲鳥の夏」に引き続き堤真一。監督は「狗神」「バウンス ko GALS」の原田眞人。一見バラバラな不可解な3つの事件に隠された“匣(ハコ)…

日本沈没

小松左京の傑作SF小説を「ローレライ」の樋口真嗣監督が映画化。日本列島の沈没という未曾有の危機を迎えパニックに陥る日本国民の姿とその中で出会った一組の男女の運命の行方を描く。 結局何に重きをおきたかったのか分からない映画です。草なぎ君と柴咲…

佐賀のがばいばあちゃん

島田洋七が話すのを聞いてた方が面白かった、というのが正直な所。 別に駄作とは思わないのだが、ばあちゃん語録を出す為にシーンをぶつ切りにしている感じがして、一本の映画としてはあまり巧く成り立っていない気がした。本当に唐突にばあちゃん語録が出て…

大奥

予想に反して結構面白かったと思います。高島礼子がうまいです。他の方々はどなた様も演技がおかしいのですが、このシリーズは現代風なので許せる仕様になっております。 そんな中で一点これはまずいだろ〜と思ったのは、井川遥の二重あご。女優さんでこんな…

肉体の門

田村泰次郎の同名小説の2度目の映画化作品。この後も2度、これまで計4度映画化されているそーです。 私は原作どころか田村何某がどういう作風でどれほど有名なのか全く知らないので、ただ鈴木清順作品を制覇する為に観たんですが、これって4度も映画化するほ…

武士の一分

なんにせよ、徳平はいい奴だ。根本的に山田洋二の感覚には寄り添えねえなあという気はしましたが、笹野+壇−(山田洋二+キムタク)はプラスなのではないでしょうか。キムタクの精一杯の演技は正直わざとらしすぎて笑いを誘いましたが、笹野さんと壇さんが非…

花田少年史 幽霊と秘密のトンネル

TVをつけたら猫が出てたので観たというだけですが、まあ夏休み映画っぽくていいのではないでしょうか。しかし時代・場所設定はどうなっていたのでしょうか。とても“昭和”っぽいのですが、一応21世紀のようですし(でも21世紀であのトイレはそうそうないよ〜…

HERO

夜の人の少ない映画館でぼんやりしたくて行ったら具合のいい時間のがこれしかなかった。普段なら絶対観ない部類のものだが、思ったより全然観れたのでまあよしとする。 わざわざ映画にせんでもいい内容と映像だ、というのは最初から予想していたので、改めて…

ゆれる

単館なのに非常に話題になっていたのでストーリーや演出方法が奇抜なのかと思ったが、あまりに普通で単純で驚いた。普通で単純なのにこんなに印象に強く残るものかと思って驚いた。心理描写の緻密さ、丁寧さが近年の邦画では突出していると言ってもいいかも…

かもめ食堂

ロハス〜。 冷静に見ると日本人がフィンランドまでくんだり店やってしかもはやってなくてそこに日本での生活になんだかな〜と思っている日本人があつまって……って現実では負け犬じゃねーかと言われそうなシュチュエーションだが、それをスローライフだといっ…

寝ずの番

中島らも原作の映画は面白いので期待していたが、いまいちだった。「Lie Lie Lie」とか「お父さんのバックドロップ」とかはテンポがよくてエンターテイメントとして非常に楽しめたのだが、この作品は冗長すぎ。師匠の寝ずの番は面白かったのだが、後に続く寝…

血と骨

当時高評価だったのはただの暴力のインパクトだけだったのか。お化け屋敷と変わらんではないか。こういう映画に一番必要な人間の心情というのがこの作品では全く描かれていないので驚いた。あーこの気持ち分かるぜ、というのが田畑智子演じる姉ちゃんだけだ…

涙そうそう

同監督の泣かせ系「いま、会いにゆきます」がちっともツボに入らなかったので、タイトルからして泣かせ系以外ありえないこの作品も絶対ツボをはずすだろうと全然期待していなかったが、見事に泣かされた。ミエミエの泣かせ系のいやらしさを感じることなく泣…

ベロニカは死ぬことにした

「ゆれる」とか「ALWAYS 三丁目の夕日」とかを見て最近の邦画はようやく精度が上がった(変な言い方だが)なあと思ったのだが、そういう邦画への印象もこれを見て一気に台無しになった。破壊的につまらない。原作もこんなにつまらんの? なにもかもイヤー!…

カンゾー先生

すごくマトモな映画だ骨太だ。新しさは感じないのだが、どっしりと安定感があって心地よく観ていられる。これが作り手の技と経験ってやつなのか。人の息遣いと汗臭さをしみじみ感じられる市井の話というのはありそうでない。やっぱり今村監督って巨匠なんだ…

リング2

「リング」関連の映画って沢山ありますけど、どういう続き方してるんだかさっぱりですな。香港映画の邦題みたくタイトル似せて中身別物っていうのに似ているような気がする。(男たちの挽歌シリーズとか) 確か「リング」の本筋は飯田譲治監督の「らせん」に…

フラガール

日本アカデミー賞最優秀作品賞・助演女優賞・監督賞・脚本賞・話題賞受賞作。2006年はフラガールの一人勝ちだった。……この年は不作だったのだな。 確かにそれなりなんだけど、“目立って悪い所がない”というだけな気がする。 起承転結、感動エピソードの内容…

卓球温泉

家出主婦が温泉でちょっと卓球をしてみた話。コミカルドラマ。 “ねるとん”に時代を感じた。 松坂慶子が本当の本当にフツーのおばちゃんだった。可愛いと言えなくもないが本当の本当におばちゃんだ。 (多分日本映画専門チャンネルで・2003年2月14日)卓球温…

東京物語

皆が知ってる日本の宝。なんだけど、個人的には小津映画の中で1番手でも2番手でも3番手でもなかったりする。捻くれ者だから、でも小心者だから★4つ付けているという私の中では微妙な映画。 名作、ではあるんだろうなあ。でもはっきりと好きです!と手を挙げ…