猫が星見た

映画の感想

2007-01-01から1年間の記事一覧

過去のない男(Mies Vailla Menneisyytta)

同監督の「浮き雲」に展開が非常に似ている。カンヌで賞を獲っており、カウリスマキ作品の中で最もメジャーな作品であるが、いつもほど殺伐としていないので不幸→幸福のありがたみをあまり感じず、不思議なことに私にとってはカウリスマキ作品の中で最もイン…

B型の彼氏(My Boyfriend is Type-B)

B型は万国共通で他の血液型から嫌われるのだなあ。ちなみに私はB型だ。科学的に証明されていなくても血液型によって性格分類されるのは多くの人は共感してるのだなー、大阪人=うるさい、みたいな感覚でB型=自己中なのだな。ごくたまにハッキリものを言うと…

オリーブの林をぬけて(ZIR-E DERAKHTAN-E ZEYTOON)

アッバス・キアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」「そして人生はつづく」に続く三部作。 私は「友だち〜」は好きだが「そして〜」は苦手、そしてこの作品は再び好きである。他愛ないことを退屈に感じるかほほえましく感じるかは紙一重であるなあと思う…

UFO少年アブドラジャン(Abdulladzhan,Ili Posvyaschayestya Stivenu Spilbergu)

“拝啓 スティーブン・スピルバーグ様 映画を楽しく拝見しました 私の町でも似たようなことがあって───”で始まるとても粋なSF。ここの映画とは「ET」のことを指すのだが、この出だしのセンスのよさだけで私はたまらん気持ちになる。チープ・ゴージャスは私の…

硝子のジェネレーション(新古惑仔之少年激闘篇)

香港映画を沢山観るわりに極道モノが苦手だ。なんというか、イキがって失敗イキがって失敗、それでも極道の道へ〜というのが人間の気持ちとしては分かるんだけど、どうしても馬鹿らしいと思ってしまうんだね。なんでお前らはそんなに意地張って戦うんだって…

流星(流星語)

チャップリンの「キッド」をモチーフにした作品。意外といい作品だと思う。ラストが典型的なお涙頂戴ではなく甘すぎないのでそこが私は気に入った。やや庶民的なレスリー・チャンを観る事が出来る。 (多分BS-2で・2003年3月14日)流星 [DVD]出版社/メーカー…

オースティン・パワーズ(Austin Powers)

マイク・マイヤーズが生理的に受け付けない。あの顔で下ネタかまされると面白いより先に気持ち悪くてしょうがない。あとこの真似真似しい内容はなんだろう。パロディのパロディというなんとも他力本願な手なのだが、まあそれでC級の顔をしてくれれば許すが世…

タルコフスキー・ファイル IN 「サクリファイス」(Dzrected By Andrej Tarkovski)

タルコフスキー監督の遺作「サクリファイス」の現場を撮ったドキュメンタリー。この監督がいかに詩人で画家であったか分かる内容になっている。資本主義とは全く関係のない芸術家であるなあ。今やこういう映画監督は世間に許されないであろう。彼の作品が愛…

力道山(RIKIDOZAN)

ソル・ギョングうまいなー!七変化の役者だなあ。確かに日本語はややたどたどしいが、口だけじゃなくてちゃんと演技しているのが分かるので私は全く気にならずにドラマに入り込めた。体つきもどうトレーニングしたんだっていうくらい凄い。もう別人っていう…

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(Pirates of the Caribbean:Dead Man's Chest)

なんか話が分かりにくいなーと思うと100%戸田奈津子翻訳である。私は聞いてすぐ分かる程英語が得意とかでは全くないが、日本語が変なのは分かる。戸田さんは第一人者で素晴らしい点もあるとは思うのだが、今それなりに翻訳のプロが育った中でのその英語力と…

人形霊(The Doll Master)

効果音で結構びびらせてくれるが、話自体はすげーくだらない。くるぞくるぞと思わせる予想を持たせながら、分かっていてもきた時やっぱりびびってしまうということはお化け屋敷であれば一流なのかもしれないがホラー映画としてはどうなのか分からない。とに…

ドグマ(Dogma)

聖書を題材にしたコメディ? 宗教モノは知ってないと全然面白味が分からない。しかもそれがシリアスであればなんとなくでも観られるがコミカルの方面にいくと私なんかはさっぱり理解出来ない。宗教をお遊びにしてる悪ノリの作品としか思えないのだよね。宗教…

デイジー(Daisy)

アンドリュー・ラウのニオイがプンプンする。韓国映画色はちっともない。 それなりなのだが、前々から思っていたことで、アンドリュー・ラウは恋愛を描くのがいまいちだと思う。男の勝負の部分は非常にかっこいいのだが恋愛を絡めることによって微妙に古臭い…

リプレイスメント・キラー(The Replacement Killers)

チョウ・ユンファのハリウッド進出作。 評判が凄く悪かったので流し見したが、ブーブーに言われるほどには悪くないじゃん。最初は正統派に銃撃戦をやっているのだが、ラストで待ってましたの如く二丁拳銃に行き着くのがちょっとおかしかった。やっぱりそこな…

ノスタルジア(Nostalghia)

映像叙情詩。 “ロウソクの火を消さないように広場を渡る” この映画ではっきり覚えているのはそこだけなのである。生と死、火と水、そこだけが異常に目に焼きついて離れない。この映画の素晴らしさを巧く説明出来る人がいたら教えて欲しい。なんでこんなに退…

クジラ島の少女(Whale Rider)

マオリ族の伝説を描いたネイチャー色の強い作品。公開当時なかなかの評判で気になっていたのを今更観たがまあ普通だった。押し付けがましい感動色がないのがいいが逆に引っかかりもないので特に人に薦めたりはしないと思う。しかしなー、この少女は悲観的だ…

「百鬼夜行抄」文庫版9巻/今市子

巻数を追うごとに作者の脳内完結が激しくなって読者に対する分かりやすさという親切心がなくなったような気がするのは私の読解力がただ低いせいなのか。漫画でここまでよく分からんというのは岡野玲子の陰陽師(の最後の方)以来かもしれない。短編のわりに…

ダンサーの純情(Innocent Steps)

基本的にダンスモノが好きなので楽しく観れた。 ダンスシーンがよかったのでそれだけで満足だが、ラブストーリーとしてもそこそこ。床の白い足跡とか小物が韓国映画らしく程ほどにお洒落で好ましい。取調べの時に主役二人、ムン・グニョンとパク・コニョンが…

カンゾー先生

すごくマトモな映画だ骨太だ。新しさは感じないのだが、どっしりと安定感があって心地よく観ていられる。これが作り手の技と経験ってやつなのか。人の息遣いと汗臭さをしみじみ感じられる市井の話というのはありそうでない。やっぱり今村監督って巨匠なんだ…

バッテリー/あさのあつこ

今更だがこのベストセラーシリーズを読んでみた。 ……しっかしこれ限りなくBLでないかい?普通の小説読んでてなんともいえないお尻のむず痒いこっぱずかしさを味わったのは有栖川有栖の作家シリーズを読んで以来2度目である。どちらもライトノベルの類だから…

リング2

「リング」関連の映画って沢山ありますけど、どういう続き方してるんだかさっぱりですな。香港映画の邦題みたくタイトル似せて中身別物っていうのに似ているような気がする。(男たちの挽歌シリーズとか) 確か「リング」の本筋は飯田譲治監督の「らせん」に…

フラガール

日本アカデミー賞最優秀作品賞・助演女優賞・監督賞・脚本賞・話題賞受賞作。2006年はフラガールの一人勝ちだった。……この年は不作だったのだな。 確かにそれなりなんだけど、“目立って悪い所がない”というだけな気がする。 起承転結、感動エピソードの内容…

ヴァーチャル・シャドー 幻影特攻(幻影特攻)

サイバー・アクション・メロドラマ。 イーキン・チェンの髪の毛がかなりうっとおしい具合の作品。そして彼は太りやすい体質なのか?ぶよぶよしていて男前が80%減であるので残念だ。彼の映画を観ると結構な割合で太っている彼を見てしまうので重ねて残念であ…

君に捧げる初恋(Crazy First Love)

「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョンと「ラブストーリー」のソン・イェジンの共演作。美女と野獣。 基本的に、恋に落ちる心の動きを描いていないラブストーリーは嫌いである。 この作品でははなっからチャ・テヒョンがソン・イェジンを好きだと叫ぶ。ちっちゃ…

ダウンタウン・シャドー(神偸謀影)

まだまだアイドルってな感じの金城武主演作。アジアン・ミッション・インポッシブル。 科学的根拠薄弱なシーンが沢山あるが、リズム感がよいので楽しく見ていられる。流石は香港映画。エンターテイメントのツボを心得ている。 それにしても結構な頻度で感じ…

シャドウ・オブ・ヴァンパイア(Shadow of Vampire)

吸血鬼モノに惹かれる性質なので観たような気がする。 しかしつまらんかったことしか覚えていない。 当時のメモに“単なるマッド・芸術家のドリーム”と書いてある。 ジョン・マルコヴィッチとジョン・キューザックは間違えやすいのに一緒の映画に出てることが…

卓球温泉

家出主婦が温泉でちょっと卓球をしてみた話。コミカルドラマ。 “ねるとん”に時代を感じた。 松坂慶子が本当の本当にフツーのおばちゃんだった。可愛いと言えなくもないが本当の本当におばちゃんだ。 (多分日本映画専門チャンネルで・2003年2月14日)卓球温…

8人の女たち(8femmes)

新旧豪華女優たちがおくるサスペンス・ミュージカル劇。 フランス女優の底力と意地とバチバチ光るライバル心を見る。お得な一品。 八人八色の美女たちが図太く妖艶に、そしてキュートに歌を歌い踊り狂う。しかも下手!なんて素敵なんだ! エマニュエル・ベア…

東京物語

皆が知ってる日本の宝。なんだけど、個人的には小津映画の中で1番手でも2番手でも3番手でもなかったりする。捻くれ者だから、でも小心者だから★4つ付けているという私の中では微妙な映画。 名作、ではあるんだろうなあ。でもはっきりと好きです!と手を挙げ…

ぼくの伯父さん(Mon Oncle)

私の敬愛するカウリスマキ(アキの方)がベスト10に選んでいたので観た映画。 あまりにも前に見たのでストーリーはさっぱり忘れてしまったのだが(確かほのぼの系だった)、58年でもフランスは当然の如くお洒落だったのねと感心させられる非常にビビッドでア…